コロナ・長梅雨・猛暑・大型台風――。気の重い歳月が続いていますが、この間にもうれしい体験は少なくありません。
名古屋の東山動植物園内で新調したばかりの眼鏡を落としたものの、拾われて戻ってきたのもそのひとつです。
僕は眼鏡をいつもかけているわけではありません。普段は上着の左上の内と外にあるポケットに差し込み、新聞を読んだり、メニューや時刻表などを見る時に出し入れしているのです。
この習慣は眼鏡が必要になった30年前から変わっていません。もっとも近年はブログ執筆などパソコンの利用で眼鏡をかける回数が大幅に増えましたが・・・。
だからかがんだ時に落としたり、飲食店のテーブルに置き忘れたり。眼鏡店に「一番安いのでいいから」と駆け込んだことが何度かあります。
家内や友人の「ケースに入れて持ち歩けばいい」とのアドバイスにも「面倒だし、安い眼鏡だから」と聞き入れてきませんでした。
今回は「外出自粛ばかりしておれない」と東山動植物園へ出掛けたのですが、眼鏡は数日前に新調していたので、時おり上着のポケットに手を当てて確かめつつ歩いていたのです。
その眼鏡が無くなっているのに気づいたのは、動物園側から植物園側に移ってしばらく歩いた時でした。
「動物園で○○を見た時には眼鏡があった」
「植物園に入ってから身をかがめて花を見たり、ビオトープの池で身を乗り出して水中生物を探したりしたが、その時にでも落としたのだろうか」
「どちらの園も広大だし、外出自粛で入場者が少ないから拾われることもないだろう」
半ばあきらめながらも、動物園側も含めて歩いたコースを引き返し、植え込みの下などを探しながら帰宅したものです。
翌日、念のためにと東山植物園に電話を入れると「おっしゃるような眼鏡が届いています」との返事。すぐさま受け取りに行ってきました。
何処に落ちていたのか、拾ってくださった方は入場者なのか、園の職員やボランティアの園内ガイドさんだったのかなど、詳細を知ることはできませんでしたが、感謝とともに素直に反省もしました。
今は眼鏡に紐を付けて首から垂らし、使わないときは紐を付けたままポケットに差し込んでいます。
これまで勧められても「いかにも老けた感じ」と拒否していたのですが、「これ、結構いいですね」。マスクの紐ともつれたりしているものの、いずれ慣れるでしょう。それより、早くマスクが不要になって欲しいですね。