6月16日(水曜日)。☀☀☀。起床8時。いい天気。今日はいよいよワクチン2回目接種の日。1回目のときは安堵感が大きかったけど、今回は期待感みたいな、ちょっとわくわくするような気分。あれこれと騒がれる副反応については、1回目で何も起きなかったら2回目もないらしいので、針が刺さったことも気づかなかったカレシはまず大丈夫。モデルナで1週間後に副反応が起きたワタシは、今回はファイザーかもしれないんだけど、モデルナもファイザーも「どっちも同じ」ということなので、どうなるかな。
ウォーキングを兼ねて歩いて行くことにしたので、時間を見計らって10時半に出発。アンヴィルセンターは急な坂の下のコロンビアストリートにあって、8番ストリートを隔ててニューウェスト駅の並び。広いホールや展示場、(ちょっと上等な)レストランが1階にあり、2階は劇場や会議場、ギャラリー、そして上層階はオフィスになっていて、ニューウェスト市自慢の多目的施設。(名前のAnvilはもちろん「かなとこ砲」に因んだもの。)坂を下り切って、センターの前に出たら、行列はパラパラで、最後尾についたら、ハンドサニタイザーを持った人が来て、「2回目ですか」と聞きながら、2人の手にシュッとやって、質問票とペンを挟んだボードを配っているおじさんが来たら「こちらは2回目です」。おじさんは「お2人とも1回目はファイザーでしたか?」と聞いて、ファイザーだったカレシとモデルナだったワタシに色の違う質問票。(名前などの記入欄がなくて、健康状態や副反応の質問がいくつかあったのは、種類ごとのデータを集めているのかな。)
列がどんどん進むので、質問票に答え終わらないうちに受付。残りは全部「ノー」なのでちゃっちゃとチェックして、はい。そこでボードを外した質問票をもらって長いテーブルへ。陽気に「いい天気ですね。ビタミンDがたっぷりですよ」というお兄さんに質問票と一緒に前回もらった接種記録カードと裏に医療保険番号がある運転免許証を出して、(予約の)確認が済んだら、「はい、右へ進んでください」。接種会場入り口ではにこやかなおじさんが「お出でをお待ちしておりました。VIP席にご案内しますので、あの水色のカードについて行ってくださいね」。怖い病気のワクチンを受けに来たのに、何かずっと笑いっぱなし。水色のカードを持ったお姉さんについて行って、「はい、ここでお待ちください」と示された椅子に着席。全部前を向いて並んでいる椅子席が6、7列あって、どれも番号が付いていて、前後はプラスチックのシールド。予約の時刻は来場者を整理するだけのものなので、適当にカレシと前後して着席。
フレーザー保健局の広報写真から
右隣の列を見ていたら、まず医者らしい人が来て、席の順番に問診をして、少ししてラップトップと注射道具を載せたカートと一緒にスタッフが2人来て、ひとりが接種カードと保健番号のデータを入力している間に、胸の名札に「臨床薬剤師」と書いてあるおばさんがささっと注射。この間、ワクチンを受けに来た人は立つ必要なし。接種用のテーブルや接種前と接種後の待機用の椅子を別々に用意する必要がないので、それだけ多くの人数に対処できて、しかも着席したら終わって出るまで座ったままなので、移動によるリスクもない。いやぁ、よくできてるなあと感心。ほどなくして後ろの方から名札に「医師」と書いてあるおばさんが来て、「今日は体調はどうですか」。はい、元気でぇ~す。そこでモデルナでの1週間遅れの副反応のことを説明したら、「それは心配ないですよ。今日はモデルナがなくて、ファイザーなんですが、それでもいいですか」。はぁい
先生はワタシの前のカレシの席に移動して、しばらくして反対側からワクチンのカート。ラップトップを操作しているお姉さんに接種記録カードと免許証を渡して、「薬剤師」さんに、これこれしかじかだったけど、どっちの腕がいいですか。「あら、左利きですか。それでは、2回目は注射後の痛みが強い傾向があるので、利き腕は避けて同じ腕にしましょう」。ということで、椅子をぐるっと回して、(後ろの席のおばちゃまとにっこり手を振り合って)右腕にピッと注射。小さな丸いバンドエイドを貼ってもらって、ラップトップのお姉さんが「Vaccinated!」(ワクチンしたよ!)のステッカーと一緒にカードと免許証を返してくれて、「11時25分」(帰ってもいい時刻)と書いたポストイットを前のシールドにぺたっ。次はカレシの番。
ふと左隣の列を見たら、スタッフのお姉さんが座っている女性の手を握って、やさしくさすりながら話しかけていて。注射のカートが来たときは、その人のスマホを指差しながらステッカーを見せて、(おそらく)注意をそらしている間にさっと注射。その後、ステッカーを手に持たせて、スマホで写真をパチリ。その女性(30代か40代?)は顔いっぱいに笑顔。きっとパニック障害か何かを持っていて、それでもワクチンを打ちたかったんだろうな。見ていたワタシまですっかりほのぼのしちゃった。そこで思い出したのが、あちこちに接種センターを設定するに当たって、州政府が人手不足や混雑を防ぐために「コロナのために失業中の接客業の人」を臨時採用することにしたというニュース。そっか、常ににこやかでやさしくて、時には軽いジョークをかましたりして、来場者の緊張をほぐしているお姉さん、お兄さんたちはそういう接客業の人たちなんだな。いやぁ、妙案だわ、これ。すっかり感心しちゃった。
待機時間が終わるのを待ちながらあたりを見回していると、ひっきりなしの人の列が入って来て、それが滞ることなく流れているから、またまた感心。カレシの前の「11時28分」になるのを待って、席を立って出口に向かったら、そこでも若いお姉さんが「はい、どうぞ」とまたステッカーを1枚。「自撮りしますか。それともお二人お揃いで撮りましょうか」と聞かれて、一瞬、はあ。何と(たぶんインスタに投稿するための)自撮り用の大きな看板が立っていて、クルーズ船のデッキからと思われるフィヨルドを背景に「ワクチンしたから、さあ、夢に見た○○」と書いてあるじゃないの。ふぅ~ん。BC州の接種率がカナダでトップになった裏にはこんなこともあったんだろうな。でもさぁ、ワクチン奨励、サービスがちょっと良すぎるんじゃないのかなあとも思うんだけど・・・。
接種記録カードとステッカー