10月6日(木曜日)。☀☀。カレシの朝のレッスンがないので、のんびりと8時半に起床。朝霧がフレーザー川に沿って低く立ち込めて、何とも幻想的な眺め。見た目はしっかり秋なのに、気温はまだ平年より10度くらい高いままで、冗談に「夏バージョン2.0」なんて言っているけど、夏、もういいよ、ほんと。
今日は久しぶりにメープルリッジでファミリーランチ。弟のジムとドナがいつも行っているパブで、妹(ジムの元妻)のマリルーとロバートが加わって、今までコロナ感染を免れたことを祝ってワインやビールで乾杯。コロナに関しては、私たちの世代はジムとロバートががん、カレシは心臓の手術の経験者で、ドナとマリルーも心臓発作を起こしてステントを入れた、感染したら重症化しかねない「基礎疾患」の持ち主だから、意図的に集まるのを避けていたおかげでみんな無事。それに対して、ジムの会社を継いだ次世代に感染者が出て、製造現場の息子のビルとサンドラの夫婦はわりと軽症、社長になっている娘のセーラはすわ入院かというくらい重症で、営業部長の娘婿のロブはほぼ無症状だったそうで、やっぱり働き盛りの世代がコロナウィルスに遭遇するリスクを避けるのは難しいってことなんだろうと思うな。
近況報告が済んだら、ランチのテーブルでの話題はもっぱら市議会選挙。メープルリッジ組は現職市長には投票しない、落選させると息まけば、ニューウェストミンスター組は市議会を独占して独裁が鼻につく現職議員を一掃するとぶち上げて、ああだ、こうだ。どうも今年の市町村選挙はどこも混戦もようと言う感じだけど、争点は住宅問題がトップなのはどこも同じで、それに次ぐのが道路などのインフラ整備(の不備)や犯罪防止などの市民生活に密着した問題。特に極左に近いwoke族が牛耳るニューウェストの市議会は、道路や公園の補修や市民の生活環境の改善なんかそっちのけで、植民地時代の歴史を清算して先住民と和解するとかダイバーシティ推進による差別撤廃とか、どうみても市政のレベルというよりは州政府、連邦政府の政策のレベルじゃないかと思うような「政治」にうつつを抜かしていると言う観があったけど、ニューウェストよりちょっと人口が大きいメープルリッジも似たようなものなのかな。前回の市町村選挙では、生まれ育ったバンクーバーのウェストサイドに家を買えなくなって(やむなく)郊外に移り住んだ急進的な活動家たちがそこで市政に進出するという現象が起きていたから、「ミニバンクーバー化」への反発が燻っているとすれば、さもありなんかな。
政治論議の後は、旅行の話に花を咲かせて、久々のファミリーランチはほんっとに楽しかった。元々人付き合いが苦手で、出不精なせいで家族や友だちとも疎遠になりがちだったカレシが帰り道に「家族なんだからもう少しまめに付き合いたいよな」とポツン。何の心境の変化か知らないけど、年をとるほどに人との交流は認知症を防いだり、進行を遅らせるためにも重要だと言われているから、どこかでそんな記事でも読んだのかな。ワタシは昔から息子の嫁というよりも義両親の養女になったように感じていたから、カレシの弟のジムもデイヴィッドもワタシにとっては弟(ジムは4つ年上だけど特にウマが合う)、「嫁」のマリルーもジュディもドナもみんな「義」を取っ払った姉妹の付き合いだし、どこの誰とでも素のままで向き合えるのも、何よりも「来る者は拒まず、去る者は追わず」の姿勢を通した亡きママの薫陶を受けたからに他ならないと思う。みんなそれぞれの生活が確立しているから、直接の行き来は頻繁でなくても常にEメールやSNS、時には電話でつながっていて、カレシはワタシを通じて自分の家族の近況を知るような形になっていたのが、何かのきっかけでこれではいかんと思ったのかなあ。そのあたりは知る由もないけど、何にしても、家族や友だちとの「心の交流」を保つのは、残された人生の時間を心豊かに過ごす上でも大切なことだと思うよ。