【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

白薔薇は夢色ロマン色

2016-11-15 19:10:10 | 薔薇の追憶
















美しい夜だった。
満月は丁度、鬱蒼うっそうとした森の上に昇り、
月光はポプラ越しに私の前の庭に射していた。
夕映えが微かに残った銀青色の空が見えた。
この時の庭は実に美しかった。
薔薇の季節で、
家の薔薇は満開だったからである。                     
                     【「アンをめぐる人々」 7.】









   ここ何日か続いた気持ちの良い小春日和は、一昨日で終了。
  昨日は、ごく弱い雨が降ったりやんだり。

   今日は雨こそ降らないものの、雲の多い天気に。
  ただ、気温は相変わらず暖かです。

   今晩辺りから寒くなるとの事ですが、まだその気配はありません。
  尤も風が出て来ましたから、その兆候はあるのかも知れませんね。

   ところで、スーパー満月。
  昨日は生憎のお天気で見る事が出来ませんでしたが、
  今宵はどうでしょう。

   運が良ければ、
  十六夜(いざよい)の月を見る事が出来るかも知れません。




















   さて、アン では
  ありませんが、
  月夜と言えば、やはり
  薔薇が合いますね。

   今日の白薔薇は、
  前回、遥か頭上に咲き、
  咲いているのさえ
  失念していたものです。

   その事が、どれだけ
  悔やまれた事でしょう。

   今回はそんな私の
  心を汲んでくれたのか?
  目前に降臨。

   そう、本当に
  天空から天女が
  舞い降りてくれたかの
  ような気がしたものです。
  気品ある美しさは格別。

   ~なんて、毎年のように
  同じ事を言っていますね。

   何度でも言いましょう。
  この時期の薔薇は、虫の被害もなく、
  シミ一つありません。プラス、芳香も際立って。

   早速、切り取ってお部屋に。
  3輪もあれば、もう十分です。薔薇の香りに包まれ、幸せ気分。
  さすが香りの女王、面目躍如と言った所ですね。

君臨する薔薇 ~ その2

2016-10-10 17:01:07 | 薔薇の追憶




















アンは翌朝、早く起き、日の出を迎えた。
日の光を全身に浴びた
グリーンゲイブルスの家に、
ポプラと柳が踊る影を投げていた。
小径こみちの向こうには、
黄金色に色付き始めたハリソン氏の麦畑が
波打つ海の如く広がっていた。
あまりの美しさに、アンは10分間ほど、
庭木戸の所で、うっとり眺めていた。            
                  【「アンの青春」 第20章】










【午前6時の空】









   これまでの暑さが嘘のような秋らしい天気になりました。
  空気はカラッとして爽やかです。

   おまけに数日前からは、甘い金木犀の香りも漂い始めています。
  極めつけは今朝の空。これも秋らしい鱗雲(うろこぐも)です。

   「夕空晴れて秋風吹き・・・」 
  思わず口ずさんでいましたっけ。

   実際には朝の空ですが、そんな事に構ってなどいません。
  とは言え、秋はやはり夕空の方が、しっくり来ますね。











【相変わらず真紅の薔薇も】




   さて、今日も薔薇の話題を。
  今、秋薔薇が満開です。

   先日の真紅の薔薇に続き、
  ピンクの薔薇がお目見え。

   色は濃い目のピンク。
  一口にピンクと言っても
  実に様々な色がありますね。

   又、太陽光線の加減に
  よって色合いしかり。

   いみじくも今日などは、
  ピンクと薔薇色、2種類の
  薔薇が咲いたかのよう。

   その上、全く違った
  表情さえ見せてくれます。

   ところで例年、真っ先に
  顔を見せてくれる白薔薇。

   今年はどうしたのかと
  思っていましたら・・。

   以前にも記した事がありますが、
  何とこの薔薇、上に、上に伸びてしまって。

   上に伸びる、紅葉や夕顔と同化? したのかも知れません。
  夕顔の陰に隠れて人知れず咲いて散っていました。

   本当に、うっかりしていました。
  薔薇には申し訳ない事をしてしまいましたね。

君臨する薔薇

2016-10-04 22:11:23 | 薔薇の追憶















その木に咲いたたった1輪の薔薇だった。
(中略)
エミリーは出来るだけ長く、
その小さな薔薇の花を花瓶に入れて
書斎のテーブルに置いた。                  
            【「エミリーの求めるもの」 第20章】








   最大級の台風が日本列島に接近中です。
  最初の段階での 905hPa と言う、巨大な気圧にも驚きましたが、
  朝になってもやっと 915hPa。勢力が衰える事を祈るばかりです。

   とは言え、こちらは 「嵐の前の静けさ」 状態。
  快晴とまでは行きませんでしたが、風もなく、
  晴れの穏やかな天気となりました。

   さて、今日の写真。
  先日の薔薇色の薔薇に続いて、
  今度は、真紅の薔薇が開花しました。

   この台風18号の影響で明日は、荒れる天気になるでしょう。
  折角咲いた薔薇、今日のエミリーの如く、
  おもむろに花瓶に挿したのは言うまでもありません。
  何せ、大切な大切な薔薇ですから。

   一方、小さな小さな野の花、犬蓼(イヌタデ)や水引草。
  庭の一角に生えていたものですが、
  今年は敢えて抜きませんでしたから、かなり増えました。

   こちらは刈り取ってドライに。結構、大きな花束になりました。
  控え目で野趣に富んだ、素朴さに惹かれます。
  乾いたら大きな土物の壺に入れましょう。









【「犬蓼(イヌタデ)」】

秋を誘う薔薇

2016-09-25 17:20:30 | 薔薇の追憶















西の空には鯖のしまを思わせる
雲が浮かんでいた ――――
真紅と琥珀色でその間から
アップルグリーンの空が現れていた。
向こうの方には夕日にきらめく海が光り、
黄褐色の海岸からは
絶えず様々な水の声が聞こえて来た。
長い間楽しみ、愛して来た丘や野や森が
美しい田園の静寂しじまの中に
アンをぐるっと取り巻いていた。
                    【「アンの夢の家」 第3章】










【午前6時の空】








   こんな秋らしい空で明けた今朝。夏の空とは明らかに違います。
  一つは、鱗雲(うろこぐも)。

   鰯雲(いわしぐも)とか鯖雲とも言われていますが、
  元は漁に関係が深いようですね。
  今朝のような鰯雲と言えば、どうしてもあの ジム船長 を思います。

   この雲が、はるばると遠くまで広がっている光景は、
  言葉にならないほど雄大です。生憎、写真は朝ですが夕空は格別ですね。

   さて、今年も秋薔薇のシーズンになって来ました。
  秋薔薇は、他の季節に比べて香りもより強く、
  美しさが際立つ気がします。まさに成熟した薔薇、女王の貫録です。

   今、続々と花芽を付けていますが、先陣を切ったのは、薔薇色の薔薇。
  やはり、こんな薔薇に接すると、ワクワク感は否めません。

   一方、その対極にあるのが小さな小さな野の花。
  水引草や蓼草、ローズマリーも薄紫の花を付けました。
  今年は庭にも大量に。ドライにします。
  これらの花にも惹かれます。










【ローズマリー】


【水引草】

秋を誘う風

2016-08-23 16:16:06 | 薔薇の追憶













庭と言っても、八ツ手やかえでが、
何てなしに雑然と植えられて、
その庭土の上には、縁日などに、
時たま買って来た草花の鉢が幾つか、
すがれたまま置いてあるだけの事だが、
でも縁先の柱に近く触れる程、
繁った芭蕉の大きな葉がばさりと揺れて
葉に裂け目の沢山入って来たのが、
この庭に 秋を知らせる風情 の一つだった。
               【吉屋信子作 「良人の貞操」】







   数々の感動を貰った、オリンピックも終わりましたね。
  となれば、いよいよ秋風・・とはならず、
  こちらは相も変わらず、猛暑が続いています。

   しかも、ここに来て起床時から30度を越える始末。
  まだまだ、残暑は続きそうです。

   それにしてもオリンピック期間中は、朝起きたら必ずテレビを付けて
  日本選手の活躍を確かめるのが日課でしたのに。
  やはり祭りの後は、淋しくなりますね。

   でも次回は、東京。
  このまま天変地異などなく、無事に行なわれるよう祈るばかりです。










【小さな秋】







   さて、暑さの中にも感じる季節の移ろい。
  一つは虫の声でしょうか・・。

   蝉は、ジージーと鳴くだけだったクマゼミから、
  何とも愛敬のある、ツクツボウシに変わりました。
  夕方から夜にかけての虫の合唱もひと際、賑やかに。

   それは庭の植物にも。そこかしこに小さな秋。
  晩夏の風情を感じます。

優美な相棒

2016-08-02 18:30:58 | 薔薇の追憶











暖かい 、煙るような夏の午後 であった。
世界は咲き競う花で輝いていた。
長閑のどかな谷間には靄もやが一面に
立ち込めていた。
森の小径こみちは影が射し、
野は夏菊の花の紫で飾られていた。                   
                【「アンの愛情」 第14章】






   

   こちらは暑さ厳しき毎日が続いています。
  それでも、いつものクマゼミに加え、3日くらい前から
  早くも、ツクツクボウシの鳴き声を耳にするようになりました。

   独特の愛敬のある鳴き声。
  期せずして朝の静かなひと時は、蝉たちの大合唱となっています。

   こんな風に夏、真っ盛りの “今” ですが、
  ふとした所に、早くも小さな秋を感じてもいます。









【「嫁菜(ヨメナ)」】



                                【「犬蓼(イヌタデ)」】
   さて、庭では
  朱夏を象徴する、
  紅い薔薇やカンナ、
  ハイビスカスが
  咲けば、その足下には
  小さな秋の野の花が。

   可憐な薄紫のヨメナ、
  イヌタデなど。

   薔薇は、より艶やかに
  野の花は、よりつましく。

   互いを引き立てる、
  優美な相棒です。

   これら野の花、
  今年は敢(あ)えて
  抜かないでいましたら、
  凄い勢いで増えて
  しまって。

   花は、ここ何日かで
  咲き始めたばかり。

   ドライにもしたいので、
  満開になるのが楽しみです。 

幸せをくれる特効薬 ~ 薔薇

2016-07-02 18:48:28 | 薔薇の追憶















「月が雲の後ろに隠れるわ。
銀色がかった白い雲。
私、ああいう雲が好きよ」
とスザンヌが言った。
パットも夢見るように、
「あのように喜びを与えるものが沢山ありますわ。
小さなもので・・・
それでいて大きな喜びを与えるものが」
「分かるわ・・・咲き出さない 薔薇の芯 のようにね」                    
                     【「パットお嬢さん」 第2年目】







   昨日(7月1日)、「半夏生」 を迎え、
  早くも1年の折り返しとなりました。

   そんな今日は、起床時からまるで梅雨が明けたかのように、
  カ~ッと照り付ける太陽。こんな事は、この夏、初めてです。
  そう言えば・・。

   あれは、数年前だったでしょうか・・。
  7月になった途端に朝から連日、30度越えという年がありましたっけ。

   それに比べれば、まだましなようにも思えるのですが、
  果たしてどうなのでしょう。
  長期予報では、今年の夏も暑いと言っていますものね。



















   さて、わが家の庭では再び薔薇が活動期を迎えたようです。
  申すまでもなく、6月の梅雨時に庭を席巻していたのは青や白の花。

   元々、大好きな色でもありこれら清楚な色は、一服の清涼剤。
  鬱陶しい天候の中で、どれだけ心を癒された事でしょう。

   とは言え、7月になると同時に開花した、薔薇色の薔薇。
  この久し振りの鮮やかな色は、青や白を見慣れた目には何とも新鮮です。
  元気を貰った事は言うまでもありません。

   そう言えば、今、盛んに蕾を付けているのは、ピンクの薔薇。
  こうなれば、1日も早い梅雨明けが待たれますね。
  いざ、活動期の夏へ・・。   

薔薇に降る雨 ~ 雨の交響楽

2016-06-25 18:31:58 | 薔薇の追憶










   昨日も雨、今日も雨、明日も雨・・。
  今年は、こんなうんざりするような梅雨ではありません。

   ザ~ッと降ってもすぐにやみ、太陽と青空にも恵まれます。
  ただ今日は、雨は降らないながらも灰色の重苦しい梅雨空。

   それでもふと気付けば、音もなく静かに雨が降っていたりもして。
  いずれにしても、たいした雨ではありませんが。

   とは言え、やはり梅雨は梅雨。
  暑いような寒いような・・スッキリしない気候も然る事ながら、
  鬱陶しい事に変わりありません。

   こんな時、ふと口を付いて出るのは、
  「巷に雨の降る如く わが心にも涙降る」
  という、ヴェルレーヌの詩。

   尤も、そらで言えるのは、このフレーズだけ。
  折角ですから、重い腰を上げて全集を紐解いてみました。

   「巷に雨の降る如く わが心にも涙降る
  何だろうこの物憂さは しとしとと心の内に忍び入る

   おお雨の音 地上にも立ち並ぶ屋根の上にも
  この倦怠の心には 雨の歌 おお静かな響き・・・」


   ~と、こんな風に続きます。
  (因みに雨の多いロンドンでの作との事)












【背景は 「半夏生」 の白】







   さて、そんな今日。再び白薔薇が咲き始めました。
  折しも庭を席巻する 「半夏生(ハンゲショウ)」 を背景に。

   どちらかと言えば苦手な物憂い雨も薔薇に降ると思えば、
  途端にロマンティックな気分になりますね。
  ちょっとした女学生気分・・?

   そう言えば、女学生という言葉、最近、使わなくなりましたね。
  それこそ、今日の白薔薇のイメージでもあり、
  気品ある素敵な言葉ですのに。

   つい先日も記しましたが、ヴェルレーヌの詩は、
  樹木を打つ雨、柔らかい土や池の面に降り込む雨、
  それぞれ音を立てて降っていた時代があった事を思い起こします。

   振り返って窓を閉め切れば、ほとんど何も聞こえなくなった現代。
  音を失った虚無の時代かも知れません。

   今日などは少々、肌寒いけれど、
  たまには窓を開け、賑やかだった時代に思いを馳せながら、
  雨の音楽に耳を澄ますのもいいかも知れませんね。  

洗練された美の秘訣

2016-05-21 16:01:16 | 薔薇の追憶













楽しい親しみ深い家々が花に囲まれており、
花は側を通ると、
「ごきげんいかが?」 と声を掛ける。
木々は手を振り、黄昏時には窓が目配せする。          
                    【「丘の家のジェーン」 1.】









   今日も五月晴れとなりました。
  日射しが強いので外は暑いのですが、湿度がありません。
  従って緑陰や室内は、ヒンヤリ。

   おまけに、色取り取りの薔薇は満開!
  その芳香と共に、“風薫る5月” の真骨頂ですね。
  そして、とりわけ緑の美しさ。

   小さなわが家の庭だけでなく、目の前の里山の萌える青葉も。
  こんな時、俄かに神の存在を感じます。
  普段は、ほとんど縁のない人間ですが。























   さて、再び薔薇を。今日は珊瑚色の薔薇を。
  それにしても五月晴れの空と薔薇は、良く似合いますね。

   こうして薔薇を見ていると、古今東西、
  薔薇に魅了される人々が多い事も頷(うなづ)けます。

   今年は、(わが家では)例年になく薔薇が豊作ですが、
  散歩中、垣根越しに見る他家の庭の薔薇も目に付きます。

   素敵な目の保養になりますね。
  大好きな薔薇の季節を謳歌しています。   

エレガンスをまとった薔薇 ~ その2

2016-05-12 20:51:51 | 薔薇の追憶











【夢見る薔薇】










「あら、早咲きの小さな薔薇が
1輪咲いているわ。美しいこと。
あの花は自分が薔薇なことを
喜んでるに違いありませんわね?
薔薇が話せたら素敵じゃないかしら。
きっと素晴らしく美しい話を
聞かせてくれると思うわ。
それに ピンク は世界中で
一番魅力のある色じゃないかしら」                  
                  【「赤毛のアン」 第5章】









   今日はカラッと晴れた、五月晴れとなりました。
  風薫る5月というのは、こんな日を言うのでしょうね。

   昨日は一日中、ぐずついた天気で肌寒く、
  今朝も、この時期にしてはヒンヤリ。

   しかしながら日中は暖かくなりました。
  天気予報では暑くなるとのことでしたが、
  それ程でもありません。私などには丁度良い気候。

   ところで5月は私の誕生月。
  もはや、心から喜べる年ではありませんが、
  薔薇の咲き乱れる5月で本当に良かったと思っている今日この頃です。















   さて、相も変わらず
  薔薇で引っ張ります。
  今日は、ピンクの薔薇を。

   ピンクと言えば、
  言うまでもなく、
  アン が大好きな
  薔薇ですね。

   優しい気持ちになれる
  ピンクは誰からも
  愛される色でしょう。
  勿論、私も好き。

   中でも淡いピンクの
  オールドローズが。

   一口にピンクと
  言っても様々な色が
  ありますね。

   (尤も、ピンクだけに
  限ったものでは
  ありませんが)

   この奥深さ、味わい深さが
  薔薇の一番の魅力なのでしょうけれど。

   これらの薔薇に、かつて 「夢見る乙女」、
  「ピンクの少公女」 ~ なんて名前を付けた私。
  こんな薔薇への時めきは永遠です。