11月 が炉辺荘に押し寄せた。 黒ずんだ丘には丘よりももっと黒ずんだ えぞ松が行軍するかのように生い繁り、 暮足の早い晩方、いかつくそびえていた。 しかし、大西洋から風が悲しげな歌を 歌いながら吹き付けるにも関わらず、 炉辺荘は炉火と笑いで 花が咲いたようだった。 【「炉辺荘のアン」 第12章】 |
昨日に続き、今日も小春日和の良いお天気になりました。
暖かさは昨日以上。
ここ何日かは寒い日もありましたので、
この暖かさは、有り難いです。
とは言っても季節は、かなり老いて来た11月。
さすがに夜の帳(とばり)が降りるのが早くなりました。
午後6時ともなると、もう真っ暗です。
さて、小さな庭の
片隅にも季節が
移ろうにつれ、
熟成されて来ました。
淡くパステル調
だった色が、
まるで熟した
ワインのように。
それも単色では
なく、複雑に
混じり合って。
いつも見慣れた
枝葉の中に、まるで
パレットのように
数え切れない色が
含まれているでは
ありませんか。
虫喰いだって
趣きがあり本当は、
写真に撮るより
描いてみたいもの。
憧れの 『アンの世界』 だって
日本の11月には敵いませんね。
黒ずんだ丘どころか、彩り溢れる丘ですから。
いいえ、枯れたものにさえ風情を感じる心があります。
何と言っても、侘寂(わびさび)の文化でしょう。
そうそう、この暖かさで堅く閉じていた薔薇が、
一気に綻(ほころ)びました。象牙色の薔薇。
晩秋の楽しみが増えました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます