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「でもね、アン、詩人の ローウェル が こう言っているではありませんか。 『失敗が悪いのではない。 目標の低さこそは罪悪だ』 とね。 私達は理想を持ち、例え成功しないとしても、 それを実現するために、 努力しなくてはいけないのよ。 理想がなかったら、人生はみじめなものですよ。 理想があればこそ人生も偉大なものと なるのですからね。 自分の理想をしっかり持っている事ですよ、アン」 【「アンの青春」 第15章】 |
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雲一つない快晴の天気が戻りました。そして朝の冷えたこと!
ここまで記して、つい何日か前にも同じ事を・・と思ったものです。
おまけに昨夜は休む前、ひょっこりお月様が顔を覗かせていましたっけ。
冬の月のように透明感のある、ちょっと近寄り難い雰囲気ではなく、
黄色味を帯びた、大層親しみのあるお月様。
そして黄色に続いて赤色のフリージアも開花。
その後ろには紫色のそれも開花を待っています。
さて、上記の記述。この文章に接する時、なぜか連想するもの。
菅首相の 「最小不幸社会を目指す」 というものです。(所信表明演説)
目指すものが最小不幸社会・・? その時感じた違和感。
最小だからと言って、不幸社会は目指すものではないでしょうに。
幸福社会を目指さなくてどうするのでしょう。
案の定と言いますか、あれから不幸社会へまっしぐら・・? という気がします。
ここでも思う事は、「坂の上の雲」 の 『悲劇の闘将はあり得ない』 という言葉。
運も実力のうち。つくづく含蓄(がんちく)のある言葉だと思います。
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それはさて置き、よもやこんな事になろうとは思わなかった福島原発。
以前にも記しましたが、東野圭吾作 「天空の蜂」 に、その原発の事が詳しく載っています。
これを読んだ当時は、他人事(ひとごと)のように読み飛ばしていたものですが、
今回、もう1度、念を入れて読み直してみました。
尤も、この小説の舞台は福井の美浜原発ですし、
原発の危機も災害ではなく、テロという違いがありますが・・。
でも、今となっては、そのテロでさえ想定外とは言えませんものね。
それでなくても危機管理の全くない東電初め日本政府のあたふた振りを見ますと、
邪(よこしま)な考えを持つ不敵な輩(やから)がいても不思議ではない気がします。
この本は小説ですので、原子炉の上にヘリコプターを落とすという事も、
技術者の英知と自衛隊の協力によって間一髪、原子炉への落下を逃れる事が出来、
犯人も捕まりますが、実際となるとどうなのでしょう。戦慄が走ります。
それにしても、次の答弁。どこかで聞いたような・・。
そう、今テレビで流れているそれと、ほとんど同じ事に唖然とします。
余談ながら、この作品が書かれたのは1995年。
という事は、阪神大震災が起こった年でもあるのですね。
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「色々な防護システムがあるから安全だという論旨の ようですが、そのシステムが根本から壊されるという事は お考えになっていないのですか」 「それはちょっと考えにくいと思います」 「でもどれだけの爆薬が積まれているのか、 まだ不明なんですよ」 「それは承知しておりますが、我々の方では、 耐爆実験というのをやっておりまして、 TNT火薬100キロでも、 『新陽』 の炉が壊れない事を確認しています」 「それは炉の中で爆破が起きた時の事でしょう。 今回は、どこで爆破が起きるか分からない。 それでも大丈夫だと言い切れるんですか」 「大丈夫だと確信しております」 花岡の言葉に、記者席がざわついた。 「もし深刻な被害が出たら、どのように対応するつもりですか」 「ですから、深刻な被害は出ないという事です」 「もし出たら、という話です」 「そういう話には、今はお答え出来ません」 【東野圭吾作 「天空の蜂」】 |
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