だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ミンとアンの純愛

2007-11-24 21:54:58 | 映画
中国映画の映像は、ドキッとするくらい美しさに満ちているものがあります。中国の大自然を映し出した画面は、毎日仕事に明け暮れる私には別世界です。1954年両親を医師に、福建省で生まれたダイ・シージエ監督。あの文化大革命の時代を生き、革命後の84年パリに渡り、映画の勉強します。

監督デビュー作は、「中国、わがいたみ」(89)。文革の最中、禁止されたラブソングのレコードをかけたために山中の施設に送られた少年の物語。2作目は「小さな中国のお針子」(02)。やはり文革の最中、医者の両親を持つマーとルオの2人は、反革命文子の子供という理由で山奥の施設へ送られます。そこで出会ったのが、美しいお針子の少女でした…。

シージエ監督はパリを拠点に活躍していますが、作品はいつも自分の故郷、中国が舞台。最新作は、「中国の植物学者の娘たち」(05)。この魅惑的なタイトルには、深い意味があります。映画で描かれるのは、今までの中国映画ではタブーとされている同性愛。中国での撮影許可が下りず、ベトナムで撮影されたそう。うむ。

1976年の地震で両親を亡くし、孤児院で育ったリー・ミン(ミレーヌ・ジャンパノワ)。湖に浮ぶ植物園の実習生として、昆林医科大学の植物学者、チェン教授( リン・トンフー)のもとにやって来ます。そこで出会ったのが、教授の娘のアン(リー・シャオラン)。10歳で母親を亡くし、厳格な父の元で暮らしていたアンは、次第にミンと仲良くなっていきます。

友情はやがて純粋な愛へと変わっていきます…。2人は永遠の愛を誓うのですが、その関係は許されるはずはなく、残酷な運命が2人を待ち受けていました。ええっ~それって、なに?「ブロークバック・マウンテン」(05)に泣いた私としては、つら過ぎます。純愛を許さない、偏見って!!!

お分かりのように、パリで活躍する監督の作品は、中国映画の様子をしながら実はフランス映画。主役のミレーヌ・ジャンパノワは、父親が中国人で母親がフランス人。そんなことはともかく、美しさと純愛と運命の物語、見ましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする