エーリッヒ・ケストナー原作のファビアン

焚書。『ふんしょ』と読みます。政府や独裁者などによって書物を燃やす行為を言います。レイ・ブラッドベリのＳＦ小説『華氏４５１度』を…

映画化したフランソワ・トリュフォー監督「華氏４５１」（６６）で見た記憶が。書物を読むことが禁じられた社会を描く、怖い映画でした。

華氏４５１度は、紙が燃え始める温度。古くても良い映画はまた見たい…。焚書で思い出すのが、有名なナチスドイツによる焚書です。

対象となった作家はカール・マルクス、ハインリヒ・ハイネ、ハインリヒ・マン、ベルトルト・ブレヒト、エーリヒ・マリア・レマルクなど有名人ばかり。

そしてエーリッヒ・ケストナーも。児童文学の『エーミールと探偵たち』 『点子ちゃんとアントン』 『飛ぶ教室』 『ふたりのロッテ』などの他…

テリー・ギリアム監督「バロン」（８８）の原作でもある、大人向け小説『ほら吹き男爵』もあります。そしてドミニク・グラフ監督…

「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」（２１）も、原作はケストナーの『ファビアン あるモラリストの物語』なんです。

１９３１年、作家を目指すファビアン（トム・シリング）はベルリンへやって来ます。しかし、不況の世の中に忍び寄るナチズムの足音。

やがて自分の進む道を見失ったファビアン、恋人のコルネリア（ザスキア・ローゼンダール）、親友ラブーデ（アルブレヒト・シューフ）は？

ベルリンの荒廃を描いた原作。果たして？シリングとザスキア・ローゼンダールは「ある画家の数奇な運命」（１８）で共演。見ましょ。