だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

パリ地下鉄の駅名になった少年

2014-09-04 12:36:50 | 映画
第2次世界大戦(1939年9月~1945年9月)。後世の人たちに知られないまま、多くの歴史的事実が隠されています。映画はそれを映像で、人々の前に明らかにしてくれるのです。

実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの回想録によるロマン・ポランスキー監督「戦場のピアニスト」(02)。ドイツ・ミュンヘンを舞台にした反ナチスの抵抗運動を行なった…

学生グループを描いたマルク・ローテムント監督「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」(05)。イギリス軍によるドレスデン空襲を描いた、ローランド・ズゾ・リヒター監督…

「ドレスデン、運命の日」(06)。ソ連軍による1万数千名のポーランド人将校虐殺事件を描いた、アンジェイ・ワイダ監督「カティンの森」(07)。パリで起きたユダヤ人迫害事件を描いた…

ローズ・ボッシュ監督「黄色い星の子供たち」(10)と、同じ事件を現代女性ジャーナリストの取材を通して描くジル・パケ=ブランネール監督「サラの鍵」(10)などなど。

小説や映画って、知らないことを教えてくれるツールでもあります。エルンスト・ユンガーの手記と、ハインリッヒ・ベルの小説を元にした「シャトーブリアンからの手紙」(11)もそう。

1941年10月19日、仏シャトーブリアン郡ショワゼル収容所。共産主義者や政治犯が収容される中。占領批判ビラを配り逮捕された17歳のギィ・モケ(レオ=ポール・サルマン)もいました。

10月20日、ナントの町でドイツ将校カール・ホッツ中佐暗殺事件が起きます。パリのドイツ軍司令部では、実は“反ナチ”の軍人たち3人は、ベルリンからの過度な報復に危険を感じていました。

案の定、ヒトラー総統は収容所のフランス人150名の銃殺を命令。10月21日、なんとか命令を回避しようと努力する将軍たちの思いに反しリストは作られていきます。10月22日、果たして?

監督は、「ブリキの太鼓」(79)「スワンの恋」(83)「侍女の物語」(90)「ボイジャ-」(91)「魔王」(96)のフォルカー・シュレンドルフ。13年ぶりの日本公開作だそうです。ぜひ。
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17歳のミアとクロエ

2014-09-03 16:05:14 | 映画
ジェイ・アンソン原作、スチュアート・ローゼンバーグ監督、ジェームズ・ブローリン(ジョシュ・ブローリンのパパ)とマーゴット・キダー主演「悪魔の棲む家」(79)。怖いけど、お気に入り。

そのリメイク、アンドリュー・ダグラス監督「悪魔の棲む家」(05)で、ラッツ家の末娘を演じて映画デビューしたのが、クロエ・グレース・モレッツです。撮影当時、7歳。

1997年2月10日ジョージア州アトランタ出身。「アイズ」(08)「早熟のアイオワ」(08)「(500)日のサマー」(08)を経て、マシュー・ヴォーン監督「キック・アス」(10)でブレイク。

最新作はアントワーン・フークア監督「イコライザー」(14)で、娼婦役に挑戦。そしてもう1本、R・J・カトラー監督「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」(14)が公開されます。

ミア(クロエ・グレース・モレッツ)は、17歳の高校3年生。チェロ奏者を目指し、ジュリアード音楽院入学のため猛練習中。ミアには親友キム(リアナ・リベラト)もいるし、ミュージシャンの彼氏も。

アダム(ジェイミー・ブラックリー)とは、付き合い始めて1年。ある雪の朝。ミアと一家が乗った車に対向車が突っ込む事故が起きてしまいます。一瞬にして家族を失ったミア。

そして病院のベッドの上で、昏睡状態のミアが目にしたのは…ベッドに横たわる自分自身の姿でした。そして幸せだったこれまでの人生…。死の淵から呼び戻そうとする人々の姿でした。

おじいちゃん(ステイシー・キーチ)、おばあちゃん(ガブリエル・ローズ)、キム、アダム…果たして、彼らがミアに語ったこととは?そしてミアの下した決断とは?

事故からミアの決断までの24時間を描く原作は、ゲイル・フォアマンの『IF I STAY』(邦題:ミアの選択)。2009年刊行の世界34か国で愛される、ベストセラー小説。

クロエ・グレース・モレッツは、現在17歳。「キャリー」 「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」(13)と、年に2作品は出演して大人気。これからも大いに楽しみな女優です。
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双子の生きる道

2014-09-02 17:08:38 | 映画
本作のタイトルをいつかどこかで見たことがあるな~と思ったら、それは1991年翻訳が出版された時、書店の平積みだったと思われます。現在では早川書房から原作が出ています。

1991年1月15日発行『悪童日記』、同11月15日発行の続編『ふたりの証拠』、1992年6月15日発行の完結編『第三の嘘』。この3部作を読まれた方もいらっしゃるでしょう。

作者は、ハンガリー出身のアゴタ・クリストフ(1935~2011年)。『悪童日記」(86)は、クリストフのデビュー作でベストセラー小説です。残念ながら、未読なので映画を。

1958年ハンガリー、ブタペスト出身ヤーノシュ・サース監督「悪童日記」(13)です。原作は、戦時下の混乱を生きる双子の少年たちが書いた作文のかたちをとっています。

第2次世界大戦末期1944年8月14日、双子の兄弟(アンドラーシュ・ジェーマント&ラースロー・ジェーマント)は母親に連れられ、国境に近い田舎の小さな町へ疎開して来ます。

そこは村人から“魔女”と呼ばれる祖母(ピロシュカ・モルナール)の農園でした。母親はもう双子を食べさせることができなかったのです。しかし祖母は働かない者には食事を一切与えない人。

双子は、薪割りと水汲み、鶏や豚への餌やりを命じられます。やがて隣家の少女と仲良くなり、町の酒場で寸劇などをして小銭を稼ぎ、森の中で兵士の遺体を発見し、武器を盗むのでした。

過酷な日々を生き延びるため…いつまでも迎えに来ない母の写真を焼き捨て、虫や魚を殺し、労働し、聖書と辞書で学び、肉体と精神を鍛えていきます。果たして、双子の将来は?

父親役にウルリッヒ・マテス、将校役にウルリッヒ・トムセン。無垢だからこその怖さ。ミヒャエル・ハネケ監督「白いリボン」(09)を思い出します。ちなみに続編の『ふたりの証拠』は…

美しい青年に成長した主人公の物語。完結編の『第三の嘘』はベルリンの壁の崩壊後、再会した2人の物語。うむ、この2作も映画して欲しくなります。その前に、本作をぜひ。
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