『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

アンビアンス・プランタニエール (春の情趣)

2025-03-29 07:18:13 | フレンチ

きのうは、
月一のご自愛フレンチに
行ってきた。

オープンから半年通ったので
シェフとも馴染みになってきた。

40年来の食べ歩きをしているが、
美味しいものにありつく秘訣は、
お気に入りの店ができたら、
徹底的に通い詰める事である。

そして、店主と顔馴染みになれば、
やがて、自分の為に
誠心誠意を尽くして下さるからである。

最高の素材、
最高の技、
最高の真心…
この三拍子が揃えば
最高の美味なるものと
邂逅できる。



アミューズは、
郷土料理の『イカ人参』に発想を得た
『イカ人参のタルトレット』
(Tartelette au calmar et à la carotte)

一口サイズのものを
パクリとやると、
口んなかでジュワっと
ヴィネグレットが拡がり
タルトなのに瑞々しい。

本歌の『イカ人参』とは
似て非なるものである。



オードヴルのひと品目は、
お店のスペシャリティ
『金時人参のムースとコンソメジュレ』
(Mousse de carotte Kintoki et gelée de consommé)

開店来、五回ほど頂いているが、
期待外れのない
安定した美味しさである。

間にはウニが忍ばせてあり
ムース、ジュレとのマリアージュは
至高のエレガンスである。



オードヴルの二品目は
『ラプローと川俣軍鶏のガランティーヌ』
(Galantine de lapereau et de Kawamata Shamo)

ラプローとは仔兎で、
肉質の似た軍鶏の腿肉に
秋田産鴨のフォア(レバー)を
巻いたもの(ガランティーヌ)を
メダイヨン(メダル状)にカットしてある。

シェフによれば、
「テリーヌ・ド・カンパーニュ」の
鶏版との事だった。

…たしかに…
という感じだった。🤤

ガルニチュール(付け合わせ)の
菜花は苦味があり、
アンビアンス・プランタニエール
(春の情趣)を感じさせた。



オードヴルの三品めは、
『白アスパラのブランマンジェ仕立て』
(Blanc-manger d’asperges blanches)

富山産のホタルイカ、
ポワロのジュリエンヌ(極細切り)
などが添えられた
ノーブル・エ・ラフィネ
(高貴で上品)な逸品であった。



ポワソンは、
『青森産平目と帆立のヴェルモットソース』
(Flétan d'Aomori et coquilles Saint-Jacques, sauce au vermouth)

皮目をパリリとポワレにした
平目は佳い味で
(うまっ…❗️)
と、思わず声がもれた。

帆立はヒモも肝も
新鮮で甘みがあり、
コリッとした食感も愉しめた。

ブールブランとヴェルモットとの
2色ソースは美味すぎるほどで
残りをパンでスカルペッタした。



ヴィアンドは、
『会津産馬肉のパイ包み焼き』
(Pâté en croûte de Viande de cheval d'Aizu)

シュヴァルのキュイユ(腿肉)は
ヴィアン・ロゼに火入れされ、
やや硬さはあったが、
全くクセや風味はなく、
その分をフォアグラや
シャンピニオン・デュクセルで
補ってあった。



デセールは
『フロマージュブランのソルベ 
 苺添え』
( Sorbet de fromage blanc, accompagné de fraises)

いつも、目の前で
出来たてのソルベを供され、
それはトロットロに滑らかで
艶冶な舌触りである。


プチフールを頂き、
カフェでほっと一息をつく。


気がつけば、
実に、満腹であり、
満足感にも充たされた
素敵なデジュネ(昼餐)であった。

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王侯貴族のフェスタン(宴料理)

2025-03-01 08:38:21 | フレンチ

 

 

きのうは、
月一のご自愛日として、
行き付けのフレンチに行ってきた。



アミューズは、
『大玉村産菊芋のスープ』
"Soupe de topinambours de Ōtama-mura"

デミタスカップに
熱々のポテト・クリームスープは
肌寒い日には
ホッとする快適なスターターだった。



オードヴルの一品目は、
シェフにお願いしていた
オリジナルのスペシャリティ
『フォアグラとクードブッフと
 あんぽ柿のテリーヌ』
"Terrine de foie gras, de queue de bœuf et de kaki séché"

地元産の
カキ・セック(干し柿)に
フォアグラと牛テールの
取り合わせは初めてで、
そのマリアージュは絶妙にして
超美味なるものだった。

ガルニチュールの
赤蕪のコンポートは
ポワール(洋梨)のような食感で
仄甘く秀逸だった。

40年来のフレンチ歴で
ベスト10に入る
見事なプラ(一品)であった。



オードヴルの二品目は、
『ブーダン・ブラン』
(Boudin blanc)

才巻海老と帆立、穴子のムースを
ブーダン(ソーセージ)仕立てにしたもので、
ナイフを真ん中に入れると
フンワリと切れて、
口当たりもフワフワの
フワちゃんだった。🤣

サン・ジャック(帆立)のグリルは
サックリした歯応えと
旨味が感じられた。



ポワソンは、
『青森産アイナメのポワレ
ロワール産アスペルジュ・ブラン
ヴールブラン・ソース』
(Poêlée d'Ainame d'Aomori
Asperges blanches de la Loire
Sauce Beurre Blanc)

カリリとした皮目と
フンワリした白身が
古典的ソースとよく合って
真っ当な魚料理に昇華していた。

アスペルジュは香り高く、
パルファン・デュ・プランタン
(春の香り)
を満喫するようだった。



ヴィアンドは、
『スペイン産ウズラの
 リドボーと黒米詰め』
(Caille d'Espagne farcie de ris de veau et de riz noir)

一羽を真っ二つにして
パピヨン(蝶型)にドレッセした
堂々たるメインである。

淡白なウズラの味を
角切りにされたリドボーが
風味を補っていた。

ソースブラウンとリノワール(黒米)が
お皿の上でリゾットのようになり、
おなかにズシンとくる
ボリューム感があった。



デセールは定番の
『グラスバニーユと
 ブランマンジェ』
(Glace vanille et blanc-manger)

どちらも作りたてで、
トロトロと
プルプルの食感が
ソースアングレーズと共に
愉しめた。

 


お口の中が
甘やかさに満たされた処に、
香り高いブラックコーヒーで
キュッと締める。

そして、再度、
とりなおしたように、
プチフールで
ガトー(焼菓子)の甘味を楽しむ。

……

どの料理も
極上の素材と
最高の技術で調理され、
まさに、
王侯貴族のフェスタン(宴料理)
のようであった。

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月末フレンチ

2025-02-01 08:00:53 | フレンチ

きのうは、
高校の後輩がワンオペでやってる
フレンチで、デジュネを頂いてきた。

 



アミューズは
「泉崎村産豚『匠の心』のリエット」
"Rillettes de porc « Esprit de Takumi » de Izumizaki"

仄かなエピスの香りに
滑らかな舌触りの
快適リエットは、
恰好のスターターであった。

 



オードヴルの一品目は
「人参のムースと雲丹
 コンソメジュレ寄せ」
"Mousse de carotte et oursin, en gelée de consommé"

これは、
シェフのスペシャリティで、
開店来、三度目である。

金時ニンジンの甘みが
存分に引き出されたムースに
生ウニの潮味がからまり、
そこに絶妙なコンソメジュレが
マリアージュする逸品である。

味ばかりでなく
それらのテクスチャーの違いも
楽しめた。

 


オードヴル二品目は、
「金目鯛と帆立貝、北寄貝のサラダ」
"Salade de daurade rose, Saint-Jacques et praire"

野菜は緑色の皮の大根を
薄切りにしたものが合わされていた。

セル(塩)の加減が絶妙で、
魚介の旨味が
シャープな輪郭を描いて
引き出されていた。

オードヴル三品目は、
「鮟鱇と鰻とズワイ蟹のグラチネ」
"Gratiné de lotte, anguille et crabe des neiges"

グリエール、ミモザ、パルミジャーノの
トロワ・フロマージュにより
グラチネにされており、
その重層的な厚みのある味わいは、
単層的なファミレスのグラタンとは
雲泥の差であった。

三種の魚介類も
それぞれに特有の旨味と歯応えがあり、
それらの個性も堪能できた。

ようやくポワソンとなり、
「気仙沼産アイナメのポワレ キャベツとイカのスープ煮添え」
"Poêlé d'ainame de Kesennuma, accompagné de chou et calmar braisés au bouillon"

敷かれたキャベツが甘く、
それと、皮目をカリリと焼かれた
アイナメの白身がよく合っていた。

ソースは
仄かなカレー風味で、
何処かエキゾチックでもあった。

 


メインのビアンドは、
「牛テールの煮込み サラダ菜包み 馬鈴薯のピューレとシャンピニオンのデュクセル添え」
"Queue de bœuf braisée en feuille de laitue, purée de pommes de terre et duxelles de champignons"

クー・ド・ブッフは
ほろほろに煮込まれ、
シャンピニオンのデュクセルにも
ポム・ド・テールのピューレにも
よく合い、ガツンとくる
堂々たるものだった。

 


デセールは
「グラス・ド・バニーユ
ブランマンジェ」

グラスは出来立てのトロトロで、
アングレーズソースは香り高く
ブランマンジェも品のある
高貴な味であった。

 


プチフールとコーヒーの処で、
予約のマダム三人が到着したので、
入れ替わるように
そそくさとチェックを済ませた。

それまでは、
カウンター席で自分のみだったので
シェフとお喋りしたり、
調理過程を眺めたりしながら
のんびりやっていた。

来月は、
シェフのインスタで見た
「フォアグラとクー・ド・ブッフ、
あんぽ柿のテリーヌ」
を創ってもらうことにした。

また、ひと月、職場での
ボンビーベントをやりながら、
月末フレンチを楽しみにしたい。

 

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Xmasディナー

2024-12-25 08:28:32 | フレンチ

きのうは
イヴだったので、
朝から散歩&買い物に出て、
晩餐のオマールとプーレを
買ってきた。



帰ってすぐ、仕込みに入り、
オマールは殻と身に分け、
殻は香味野菜と共に
オーヴンで2時間ほど煮て
濃厚な出汁を取った。



*

オードヴルは
"Terrine de poulpe et légumes d'hiver en gelée"
(蛸と冬野菜のゼリー寄せ)



*

スープは
"Bisque de Homard"
(オマールのビスク)



*

ポワソンは
"Homard poché, sauce Américaine"
(オマールのポシェ ソース・アメリケーヌ)



*

ヴィアンドは
"Rôti de poulet de Date"
(伊達鶏のロティ)



*

デセールは
"Gâteau de Noël aux fraises et à la crème fraîche"
(イチゴと生クリームのXmasケーキ)

***

毎週、水曜日には
おうちフレンチを創っているから、
さほどに手間も感じなかった。

 



***

料理の合間には、
ビオラにガットフレットを張って
バロック風にしてみた。



また、
1700年の『アントニオ・バリーニ』と
他の二本もチューニングして
メンテナンスした。



やはり、楽器と触れ合っていると
心が落ち着くものである。

*

今日は、久しぶりに
スピネット・チェンバロの
メンテナンスとチューニングを
するつもりである。

 

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三國シェフのハンバーグ

2024-12-24 08:50:21 | フレンチ


きのうは、
買物&散歩で、
久しぶりに近所の
デニーズに寄って、
三國シェフ監修のハンバーグの
試食をしてきた。


フレンチっぽくはなかったが、
それなりには美味しく、
ケールのガルニ(添え物)は
珍しかった。




積雪5センチほど降ったので、
ガレージから出ている
フロントガラスとボンネットは
真っ白けだった。

雪が降ると
ソーラーパネルは
まったく機能不全になるのを
目で見て認識した。

 



田んぼは
刈り穂と雪があいまって
ちょっとしたアートっぽかった。




セカストを冷やかしに寄ったら
ショートスキーが
2300円であったので、
リク坊がスキーに行くようなら、
買っちゃおうかな…とも思った。





ローカル局の新顔の
おねーちゃんが、
久しぶりに可愛い子になったが、
よくよく見ると、
若干、内斜視になっていた。

最近、スマホの見過ぎなのか、
内斜視の子をしばしば見る。





暇にまかせて、
チェロにガットフレットを
試しに張ってみた。

ヴィオールだと
ギターと同じ6弦だが、
4弦だとコード演奏が
し難いことを再認識した。



街中を散歩してても、
食指を動かすようなアイテムは
見当たらず、どれもこれも
見飽きた、やり飽きた…
と、いささかゲンナリしている。

71歳の晩年に
亡父が食事中に、
ぽつりと呟いた。

「飯喰うのも飽きた。
生きるのも飽きた…」

その歳まで、あと4年となったが、
なんとなく、その心情が
解るような気もするようになった。

 

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