きのうは、
月一のご自愛フレンチに
行ってきた。
オープンから半年通ったので
シェフとも馴染みになってきた。
40年来の食べ歩きをしているが、
美味しいものにありつく秘訣は、
お気に入りの店ができたら、
徹底的に通い詰める事である。
そして、店主と顔馴染みになれば、
やがて、自分の為に
誠心誠意を尽くして下さるからである。
最高の素材、
最高の技、
最高の真心…
この三拍子が揃えば
最高の美味なるものと
邂逅できる。
…
アミューズは、
郷土料理の『イカ人参』に発想を得た
『イカ人参のタルトレット』
(Tartelette au calmar et à la carotte)
一口サイズのものを
パクリとやると、
口んなかでジュワっと
ヴィネグレットが拡がり
タルトなのに瑞々しい。
本歌の『イカ人参』とは
似て非なるものである。
…
オードヴルのひと品目は、
お店のスペシャリティ
『金時人参のムースとコンソメジュレ』
(Mousse de carotte Kintoki et gelée de consommé)
開店来、五回ほど頂いているが、
期待外れのない
安定した美味しさである。
間にはウニが忍ばせてあり
ムース、ジュレとのマリアージュは
至高のエレガンスである。
…
オードヴルの二品目は
『ラプローと川俣軍鶏のガランティーヌ』
(Galantine de lapereau et de Kawamata Shamo)
ラプローとは仔兎で、
肉質の似た軍鶏の腿肉に
秋田産鴨のフォア(レバー)を
巻いたもの(ガランティーヌ)を
メダイヨン(メダル状)にカットしてある。
シェフによれば、
「テリーヌ・ド・カンパーニュ」の
鶏版との事だった。
…たしかに…
という感じだった。🤤
ガルニチュール(付け合わせ)の
菜花は苦味があり、
アンビアンス・プランタニエール
(春の情趣)を感じさせた。
…
オードヴルの三品めは、
『白アスパラのブランマンジェ仕立て』
(Blanc-manger d’asperges blanches)
富山産のホタルイカ、
ポワロのジュリエンヌ(極細切り)
などが添えられた
ノーブル・エ・ラフィネ
(高貴で上品)な逸品であった。
…
ポワソンは、
『青森産平目と帆立のヴェルモットソース』
(Flétan d'Aomori et coquilles Saint-Jacques, sauce au vermouth)
皮目をパリリとポワレにした
平目は佳い味で
(うまっ…❗️)
と、思わず声がもれた。
帆立はヒモも肝も
新鮮で甘みがあり、
コリッとした食感も愉しめた。
ブールブランとヴェルモットとの
2色ソースは美味すぎるほどで
残りをパンでスカルペッタした。
…
ヴィアンドは、
『会津産馬肉のパイ包み焼き』
(Pâté en croûte de Viande de cheval d'Aizu)
シュヴァルのキュイユ(腿肉)は
ヴィアン・ロゼに火入れされ、
やや硬さはあったが、
全くクセや風味はなく、
その分をフォアグラや
シャンピニオン・デュクセルで
補ってあった。
…
デセールは
『フロマージュブランのソルベ
苺添え』
( Sorbet de fromage blanc, accompagné de fraises)
いつも、目の前で
出来たてのソルベを供され、
それはトロットロに滑らかで
艶冶な舌触りである。
…
プチフールを頂き、
カフェでほっと一息をつく。
気がつけば、
実に、満腹であり、
満足感にも充たされた
素敵なデジュネ(昼餐)であった。