明日から十月だというのに
まだ、寝室に蚊が飛んでいる。
それでも、この夏は
少なかったほうで、
見つけて捕まえるたびに
カウントしているが
今年はこれで7匹目だった。
昨年は、一晩で7匹も出た日があり
ノイローゼになりそうになったが、
蚊取り線香やアースマットを使わずに
一々、捕虫網で捕まえることにしている。
この蚊は、一度、手のひらで叩いて
落としたかのように見えたが、
飛んで逃げられたので
悔しい思いをしていたが、
今朝方、窓の所で死んでいたので、
致死的な衝撃は与えたようだった。
「人生を遊ぶ」ゆえ、
蚊との攻防をも遊んでいる。
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『道落もの』
心理学
PTAの講演会などで、経歴を見た父兄から、
「先生は、生物学からどうして心理学に転向されたのですか」
という質問をよく受ける。
そのときの答えは決まっていて、高校の担任を十一年やったが、クラスの生徒のなかに不登校、ノイローゼ、欝、パーソナリティ障害などがいて、生物学や教育学の知識だけでは対処できなかったから、と説明している。
生物学には、行動科学なども含まれるものの、動物に限定されるもので、人間の不適応行動については説明されていない。
それと、ある年、自分が職員室に入ろうとすると妙に心臓がドキドキするので、これはなんだろう、ということで精神分析学的に調べてみようと思ったのである。
たまたま、狐狸庵先生と河合先生の対談をテレビで見て、ユング心理学というのを知り、さっそく河合先生の本を読んでみることにした。
すると、そこには自分の疑問に思っていたことに対して、すべて答えが書いてあったような気がして、すっかりのめりこんでしまった。
そして、自分の心悸亢進にはカウンセリングが有効だと知って、さっそく洛西にある阪先生の所を見つけてカウンセリングに通いだした。以後、教員を辞めるまで4年間、カウンセリングとスーパーヴィジョンに通った。