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「なにもない」正月

2007-01-05 18:24:03 | Weblog
 中国では新暦の正月を祝う習慣はない。一応、1月1日から3日までは休みだが、普通の連休だ。町を歩いても政府関係の建物に新年の年号を書いた垂れ幕が下がっている程度で、他に特別な飾りもなければ、デパートのセールもない。

 じつは中国の伝統行事はすべて旧暦で行われる。ちなみに今年の正月は2月9日だ。その日は「春節」とも呼ばれ、一週間以上、お休みとなる会社も多い。帰省するのもその頃だ。

 春節の日には「紅白歌合戦」に笑いを織り交ぜたテレビ番組がド派手に放映される。放映日が近づくと、「誰が司会をする」とか、「今年のあの人のお笑いのネタは20秒に一回の大笑いの渦になるだろうとか」とかがマスコミの話題の中心となり、世間の関心も高まってくる。そして、当日。親戚とともに番組の出来映えを家で酒や1.5リットル入りのペプシコーラやお茶などを飲みながら賑やかに過ごす。お年玉もある。

だが私は新暦の正月には、あまりの「何もなさ」にうろたえた。まず、幼稚園には12月下旬からの冬休みがない。だから12月31日に小雪舞う中、野外で幼稚園の演芸会が行われたわけだ。あまりにさびしいので餅米を買ってきて、蒸し、ビール瓶の底でついて餅に丸めて、雑煮にして食べた。1月1日夜のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの中継だけが、「ああ、世界は正月を祝っている」と感じられた瞬間だった。

さて、新聞に1月1日より花卉節が開かれる、とあったので、昆明の繁華街に家族で出かけた。昆明はなんといっても花の生産地として名高いし、やっぱり中国でも新暦の正月を祝うのだ、と正直、ほっとした。きっと、いろいろな花々が繁華街一面に咲き乱れ、美しく飾られているに違いない。

だが実際に行ってみると、インパクトのない花飾りの盆景? が並んでいるだけだった。1.2メートル四方の台の上を木や花で漠然と飾りつける。それらが何十台もあり、一つ一つにスポンサー名がぶらさがっている。傍らに投票箱。

どうやら一等を競っているらしい。まるで田舎のひなびた七夕飾りの競い合いのような光景だった。やはり新暦の正月を祝う行事ではなかったのだった。

年があけました。今年もどうぞよろしくお願いします。


コメント (6)
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