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雲南味めぐり●市場から6 鶏肉

2007-12-07 22:30:58 | Weblog
写真は、前回のトリ肉の炒め物の料理風景。客は厨房の材料を見て、「この肉とこの野菜で、こういう風な料理法で味付けはこういう風に」と細かく注文をすると、料理人はおもむろに作り始めるのが、中国の農村レストランでの一般的な注文法。この日、いいトリがいるよ、との推薦にのっかったところ、庭先のトリを締めて、作り始めた。市場で免疫ができていたので、おいしくいただけたが、娘は知らずに食べていたようで、あとで写真を見てショックを受けていた。

【命をいただく】
 だがその生活に慣れてくると、今度は日本のように部位ごとに切り刻まれるシステムの方が変に思えてきた。まず食べやすく切り取られた形だと一羽の形がイメージできなくなり、生き物を食べているという感覚が希薄になってくること。

 また一羽買いではないので買う人の好みに偏りがあると、売れ残る部位が出てきてしまうことだ。

 じっさい日本ではモモ肉の方がムネ肉よりも人気があるため、スーパーで売れ残り品を濃いたれにつけて、再販されているのはたいていムネ肉だ。それにトリに本来あるはずの足や顔、たくさんの骨は、どこにいってしまったのか。

 あの、深い味のスープをもう一度、と、帰国後、トリの肉以外の部分を探し求めたが、一般人の私ではなかなか入手が難しかったので、いまでは市販のブイヨンの味に慣れてしまった。かわいそうに娘は帰国後、肉や魚の骨を皿の上に発見しようものなら、骨をばりばりとかみ砕き、髄にしゃぶりつくようになってしまった。

「日本の食べ物って、噛みごたえがないんだよねー。骨の中だけ、いい味がするー」

 子供の舌は正直だ。

 さらに残念なことに、昆明市政府は現在、農貿市場を「不潔で、行政の統制もとりづらい」として廃止、統合する方向に動いている。そして、日本と同様にパック売りされた肉を中心に売るスーパーマーケットが勢力を増しているのだ。こうなるとトリの頭などの多くは「廃棄物」として処理されていくのだろう。
コメント
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