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魚をはぐくむ水は?1

2008-02-08 22:54:38 | Weblog
写真は、テン池の上空を進むロープウェーにて撮る。ロープウェーは市街地からテン池を望む「西山」(美人な女性が横たわる姿と言い伝えられている)中腹部までを約30分でつないている。もともと99年に昆明で開かれた世界園芸博覧会にあわせて作られた。乗車賃は25元(約400円)。
 ちなみに市街から西山まではバスで2元ほど。当然、利用者は少なく、閑古鳥が鳴いている。私が行ったときは、4月で吹く風は高原らしく寒いというのにロープウェーの乗車案内の女性は長い黒髪を洗面器に張った水で洗っていた。

【緑のテン池】
 昆明市を特徴づけるテン池には大小合わせて100近くの河川が流入し、面積は約300平方キロメートル弱と中国で6番目の広さを誇る。が、水深はもっとも深いところでようやく8メートルといったところ。巨大な胃袋型の水たまり、といった感じだ。

 それだけに周辺環境の悪化がそのままテン池に濃縮され、頻繁にアオコ(日本では千葉県の手賀沼でよく見られた植物プランクトンの死骸で緑色になった状態。貧酸素状態になり、魚等の生存が危ぶまれる状態となる)が発生している。
 
 4月から10月までとろりとした緑色となるテン池に、しばしば足を運び、湖面に近づこうと試みてみた。湖沿いの公園から出る遊覧船もあるのだが、汚い水しぶきがかかりそうで、なかなか乗る勇気がでない。

 そこで周辺をぶらぶら歩くと畑の先に大金持ちの別荘地、中国銀行など大企業の保養施設、その先に石綿瓦(いわゆるアスベストのことですね)工場、食品加工場、製紙工場が立ち並んでいて、湖水に近づくのはなかなか難しい。明治時代に昆明を訪れた鳥居龍蔵も昆明城(中国ではかつて大都市の周辺は城壁で囲まれ、郊外と城内は明確に分けられていた)の周辺は湿地帯で湖水にはとうてい近寄れないことが明記されていたので、意味は違うけど、同じ状況ではあった。

コメント
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