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雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

閑話休題・残留農薬

2008-02-01 23:18:19 | Weblog
写真は雲南省の省都・昆明市の胃袋を支えるテン池。上空から見ると、胃袋の形をしている。
[作物が育つ魔法の水]
日本に輸入された中国の冷凍加工食品で、日本人に、とうとう被害者がでる事態となりました。以前からこのブログでも指摘していたことですが、中国ではずっと残留農薬や薬物で、死者や被害者は数出ていました。一番の問題は利用する農民が、その恐ろしさを十分に理解していないこと。

化学肥料や農薬は「作物が育つ魔法の水」程度にしか認識がなく、真っ青な恐ろしげな色をした「水」をひしゃくや噴霧器でせっせと撒く姿は何度となく見てきました。農民になんのための薬が尋ねても無言だったり、入っていた袋を指したりするのですが、その袋がまた「偽装」で本当の内容がわからない、といったカオス的様相を呈しているのです。

 そんな雲南でも省政府が音頭をとって極力農薬の使用を抑えた「無公害基地」というじゃが芋畑や養豚場を作る計画は進んでいます。じっさい、作られていて、作物は主に日本に輸出される、と地元新聞にも大きく取り上げられていました。

一方で夏場には日中40度を超える雲南省南部で、村でいっせいに畑に化学肥料を撒いたところ、それらが急速に変成したのか、気化したことによって、頭痛や吐き気を催す人が続出し、とうとう化学肥料会社が被害者一人当たり数百元の保証金を出す、という不思議な展開を見せた事件まで起こっています。

 昆明の市場では、日々、入り口の黒板に残留農薬の検査を白墨で書いて発表していました。品目ごとに残留農薬値と、基準をクリアしているか、が書かれているのです。当然のように全部、クリアしているのですが。たまに遊びに来た農学博士である父も「これ、本当に検査しているのか? 検査薬も高いんだけどな」とつぶやいていました。そういう発表をするニーズがあるほど、買う側が農薬に敏感になっている、のは事実です。また、数字が信用できるかはともかく、私が身体を壊した事は一度もありませんでした。

 どうも経験上、大企業がらみか、高級料理店に行けば行くほど、問題が発生する確率は高まるようです。名声をえたおごりか、使用人が増えたことで目が行き届かなくなるのか、一定品目を大量に仕入れる中で無理が生じるのか、のいずれかでしょう。

 私も日本の生協の利用者ですが、袋に「これは中国産ですが、私どもか管理した自社農場で作られた原料のみを使い、自社工場で加工したものです」などと書かれていると、ついつい信用したくなります。でも、これはまさに上の「危ない」方程式の最上等のものだったのですね。今後も中国産に頼らなければならないのだとしたら、こまやかな目配り、しか方法はないのでしょう。

中国では「日本へ輸出するもの」(そこはかとなくその雰囲気を漂わせているもの)は高値がつき、人気も上がります。日本に輸出されているものは品質上、安全、という神話が中国の庶民にあるからです。日本はもうちょっと、強気に出て、今回の事件を、きちんと裁く事が中国の人の利益にもつながることでしょう。
コメント (2)
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