雲南、見たり聞いたり感じたり

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雲南の小吃

2009-03-13 12:13:26 | Weblog
写真は「糯米団」を握る売り子さん。早朝ねらいの露店は日の出から9時半ごろまで営業していることが多い。

 ちょっと小腹が空いたとき、朝食代わりにおなかを満たしたいときに不自由しないのが中国の大都市。辻辻に1元(約14円)で食べられる立ち食い屋台があふれています。雲南も例外ではありません。雲南ならではの食べ物だけではなく、そこには出稼ぎ労働者の出身地の食べ物や退職したおばさんの趣味の家庭料理が溢れ、おもわぬ発見も。食の中国旅行もできそうです。
え、こんなものまで売ってるの? と思うようなものも含めて、ご紹介しましょう。(不定期に・・)

●糯米団
 もち米をふかしながら、自転車リヤカーに乗せた屋台で移動し、売れそうな位置につくやいなや、次々と街ゆく人が買い求めます。
小吃のいいところは、買うときにしゃべらなくてもいいところ。言葉の不安はまったくないんです。

客は黙って1元札を差し出す。と、売り子のお姉さんは、おひつの中のほかほかのもち米を握り、
「タン(糖)?」
と聞き返します。そこで客はまたも黙ってうなずけば、最後に雲南特産のザラメをたっぷりとまぶしてくれます。
 いわば、小豆のないぼた餅。お米はつぶしてないので、塩にぎり、ならぬ甘にぎり、といったほうが近いかもしれません。

 もち米は紫米と白米を混ぜて炊いてありました。ほんと、日本の赤飯のルーツは紫米だという説もわかる気もします。ただ、お赤飯のように全体を赤く色づけることなく、はっきりと赤と白の粒々が紅白そのままの色で炊きあがっているのが違うところ。

 日本では「おにぎり」「おはぎ」「ぼたもち」など、いろいろな名前が連想されるので、この食べ物の名前を聞いたところが上の答え。「糯米」はもち米、「団」は団子のこと。
あまりにも即物的な名前にがっかりして、もうちょっと風雅な名前はないのかと、客が一段落したときに聞いてみても、おねえさんは面倒くさそうに「ノーミーファン(糯米飯)」と答えるだけでした。

 味はご想像の通り、とてもシンプルでお茶といっしょにいただきたくなります。またとても腹持ちがよいので、仕事中に小腹が空いたときにはぴったりといえるでしょう。

●もち米と糖
 もち米と糖は雲南でも、よく結びつけられるものらしく、春節(旧正月)が近づくと売りに出される「八宝飯」は究極の甘さ。

ドーム状というかケーキ状に固めた甘いもち米の中にも上にも甘煮されたナツメなどの食材がきれいに飾り付けられた縁起物で、市場の臨時屋台でもその季節にはクリスマスケーキさながらに飛ぶように売れていましたが、甘さがごちそうだった時代の食べ物なのだと、しみじみ。

昆明でいきつけの、ごくごく普通の料理屋で、「猪飯」(中国では豚肉を猪肉と呼ぶのです)を食べたときも驚きでした。

ドーム状の蒸しもち米の上にチャーシューがたっぷり、ぴっちり。茶色が、甘辛く煮付けられたトンポーロゥを連想させて、いやが上でも高まる期待。

当初、いつもの通り
「ご飯もつけてね」と頼んだら、
「ご飯なら、今日はもっといいのがあるんだよ」

いつものスープと炒め物をほおばり、さて、ご飯と、このおすすめの「猪飯」を口に入れたところ、脳天までツキーン。あまりの甘さに三口でダウンしてしまいました。

いつも我々が一元の「ご飯」を頼み、洗面器一杯にでてくるご飯を少ししか食べないので(とても食べきれません。「少し」といっても、気に入られると大盛りになるようです。安料理屋ほど、なぜかご飯が山のようにでてくる傾向があります。ちなみに、いつも残りはお弁当に包んで持ち帰っていました。)、ご飯は苦手と踏んで、気を利かせてくれたようなのでした。

聞くと、この料理は彼らの田舎である、昆明近郊の村の特別なときのごちそうなのだとか。「農家楽」という名の通り、昆明郊外の田舎料理を提供することが目的の店なので彼らの希望にかなった新メニューというわけです。

ですが醤油味の激甘豚もち飯は、インドネシアの人がすき焼きなどの煮物を砂糖などで甘辛く煮付ける日本料理を「甘い」のに「辛い」といやがるのと同様の効果を、日本人の私にもたらしたのでした。

コメント (2)
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