昆明を歩いていると,
ふと視線を感じた。なんとも不思議な「君」。振り向くと、どことなく宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」のロボットに似ていなくもない風貌。心ならずも世界を破壊に導き、今や、血塗られた歴史への鎮魂を秘めて、ボロい7階建てのビルの入り口付近に閉じこもってしまったかのような姿。周囲はにぎやかに車や人々が往来しているというのに、この静かでレトロなたたずまいはなんだろう。
じつは、これ、日本でも7階建て以上の建物の1階部分に消防車から強制的に加圧した水を送るための送水口。ここに消防車のホースをつないで、各階にある放水口に水を送る仕組みとなっている。つまり高層建築にかかせない大切な設備なのだ。
もし建物の外から消火栓にホースをつないで消火活動を行った場合、はしご車でのばせる範囲でしか消火活動が行えなくなってしまう。日本では「連結送水管」と呼ばれている。
中国では「消防水〓(上に石、下に水を書いて一字)接合器」という。近年、日本では、この設備の金属部分の盗難が相次いでいるのだが(平成20年1月19日、東京新聞より。キャップの部分で新品で3万5000円程度するらしい)中国では、その金属部分が盗まれないようにしっかりと「のり」づけした、結果、このようなお姿になったのかもしれない。 (つづく)
*雲南懇話会、無事終わりました。結局、用意した原稿の半分も読めない事態となってしまいました・・。早口でしゃべることと時間配分って、難しいんですね。
さて、また初心に返って日常に戻ります。感想などございましたら、書き込みください。