【なぜか昔懐かしい味】
雲南中部は「四季、春の如し」と呼ばれていますが、それは「一年中、春らしい日がある」というだけで、夏や冬がないわけでは、ありません。朝、肌寒くても、日中に日差しが照りつければあっという間に30度以上に気温が上がる夏。家の中では外套を羽織っても寒くてたまらないというのに、晴れてさえいれば、外は肌がひりつくほどのポカポカの日差しに恵まれる冬。だから地元の人は「一日のうちに四季がある」といいます。
そんなひとときの夏に人気があるのが「木瓜水(汁)」。
ほんのり甘くて、清涼感があり、口の中がさっぱりする「デザート」です。昼食のしめくくりに、またはお昼寝タイムが終わって一仕事をはじめる三時頃になると、人気店には行列ができるほどのポピュラーな一品です。
「木瓜」とは中国語でパパイヤのこと。南方の果実・パパイヤのとろりとしたジュースを思い浮かべそうですが、日本の伝統的な夏のおやつ・ショウガ汁と砂糖でつくる「ひやしあめ」を固めたような、健康的な味わいです。
秘密はパパイヤの果実ではなく、その黒々とした種にあります。種を水に浸けて、ひたすら揉み続けると、ヌルヌルしたものがでてきます。これをひやし固めると、寒天のようにプルンと茶色く透明感のある木瓜水ができるのです。
そもそもパパイヤの種には肉をやわらかく変質させる物質があり、薬用効果も高いとのこと。ちなみに効用は熱冷まし、咳止めなどです。
このプルプルに、雲南独特の黒砂糖「紅糖」や「バラ糖」(バラの香りをつけた黒糖)、いりごまなどを溶かし込んだシロップをかけていただきます。
最近では種を揉み込んでつくる店は、手間暇がかかるため少なくなり、「木瓜粉」というパパイヤの種からつくられた「木瓜水」の素を水に混ぜて作る店が多いそうです。木瓜粉はスーパーなどでも売っていますが、その製造元は「黒竜江省」。なんとも不思議な感じです。
近年、日本でも人気が出てきた台湾のおやつ「愛玉子(オーギョーチ)」(上野に戦後まもなくから、台湾で覚えた味をメニューとして出し続ける名店「愛玉子」があります。一度、おためしあれ)は、パパイヤの種と似たような性質を持つ、台湾固有の植物「オーギョーチ」の種からつくられたもので、作り方は同じです。
どちらかの作り方が影響を与えていることは容易に想像されます。
写真は雲南南部の都市・建水にて。昼過ぎに、この店を目指した人の流れに乗って進んだところ、木瓜水の店を発見した。建水城の東門である朝陽門近くにある。建水のもの売りのおばさんや、麻雀好きのおじさん、若い学生さんなど老若男女乱れて、ひとときの清涼感あふれるひとときにひたっていた。
雲南中部は「四季、春の如し」と呼ばれていますが、それは「一年中、春らしい日がある」というだけで、夏や冬がないわけでは、ありません。朝、肌寒くても、日中に日差しが照りつければあっという間に30度以上に気温が上がる夏。家の中では外套を羽織っても寒くてたまらないというのに、晴れてさえいれば、外は肌がひりつくほどのポカポカの日差しに恵まれる冬。だから地元の人は「一日のうちに四季がある」といいます。
そんなひとときの夏に人気があるのが「木瓜水(汁)」。
ほんのり甘くて、清涼感があり、口の中がさっぱりする「デザート」です。昼食のしめくくりに、またはお昼寝タイムが終わって一仕事をはじめる三時頃になると、人気店には行列ができるほどのポピュラーな一品です。
「木瓜」とは中国語でパパイヤのこと。南方の果実・パパイヤのとろりとしたジュースを思い浮かべそうですが、日本の伝統的な夏のおやつ・ショウガ汁と砂糖でつくる「ひやしあめ」を固めたような、健康的な味わいです。
秘密はパパイヤの果実ではなく、その黒々とした種にあります。種を水に浸けて、ひたすら揉み続けると、ヌルヌルしたものがでてきます。これをひやし固めると、寒天のようにプルンと茶色く透明感のある木瓜水ができるのです。
そもそもパパイヤの種には肉をやわらかく変質させる物質があり、薬用効果も高いとのこと。ちなみに効用は熱冷まし、咳止めなどです。
このプルプルに、雲南独特の黒砂糖「紅糖」や「バラ糖」(バラの香りをつけた黒糖)、いりごまなどを溶かし込んだシロップをかけていただきます。
最近では種を揉み込んでつくる店は、手間暇がかかるため少なくなり、「木瓜粉」というパパイヤの種からつくられた「木瓜水」の素を水に混ぜて作る店が多いそうです。木瓜粉はスーパーなどでも売っていますが、その製造元は「黒竜江省」。なんとも不思議な感じです。
近年、日本でも人気が出てきた台湾のおやつ「愛玉子(オーギョーチ)」(上野に戦後まもなくから、台湾で覚えた味をメニューとして出し続ける名店「愛玉子」があります。一度、おためしあれ)は、パパイヤの種と似たような性質を持つ、台湾固有の植物「オーギョーチ」の種からつくられたもので、作り方は同じです。
どちらかの作り方が影響を与えていることは容易に想像されます。
写真は雲南南部の都市・建水にて。昼過ぎに、この店を目指した人の流れに乗って進んだところ、木瓜水の店を発見した。建水城の東門である朝陽門近くにある。建水のもの売りのおばさんや、麻雀好きのおじさん、若い学生さんなど老若男女乱れて、ひとときの清涼感あふれるひとときにひたっていた。