昨年12月28日に開業した東部バスターミナル。市内からタクシーで20分から30分の、周りは赤茶けた山ばかりが広がる郊外に建つ。市内から公共バスで行くルートもあったのだが、その行き方はこのバスターミナルに置かれたチラシでしか、知る方法はなかった。今のところは不必要なほどにデカい。
それ以前は市内にほど近い「東菊」バスターミナルに行けば、雲南東部地域に行けたのだが、そちらのバスターミナルは現在、閉鎖され、「東部」は遠くなってしまった。このことは昆明で売られているあらゆるガイドブックにも、地図にも反映されていない。困ったものである。
【究極のワークシェアリング】
これが昆明から離れると、運転手も本来の姿に。地図も頭に入っており、わからない場所なら、仲間に携帯電話で場所を確認し、当たり前のように誇りを持って誠実に任務を遂行してくれます。
昆明も2年前までは、そうでした。行き先を告げると「好(ハオ/わかった)」という返事がちゃんと返ってきたのです。
昆明のタクシー運転手の気質の変化には、何かありそうです。
考えてみました。
一つにはタクシーの人口あたりの台数が減っているようです。夕方や早朝の繁忙期にタクシーを捕まえるのはまず、無理。30分以上、待ってもダメでした。みんな客を乗せているのです。
このことから、
「タクシーの参入を制限しているのかな」
というように考えました。それも、少しはあるようです。でも、それでは乗車拒否の説明にはなりません。とすると、
「もしや、究極のワークシェアリングの実現かな。」と思いました。 つまり一日50元(約3万3000円)稼げば上々の昆明で、初乗り8元のタクシーを6~7回、稼働させれば、整備費、ガソリン費を差し引いても、十分です。(普通、10元以上は乗るでしょうから。)つまり一回、10分として1時間、近場の知っているところだけをまじめに走れば、一日の稼ぎになる、というわけです。必要以上に働かなければ、他の車に仕事のチャンスを回せるかもしれません。なんという心遣い。無理をせず、大きく稼ぐ必要も大望もない。じつにうらやましいほどの平常心を身につけている、のかもしれません。
もう一つ。街を歩くとすぐ気づくことがありました。沿道には、そこら中に「報警」と書かれた白テントがあって、中で警官が目を光らせているのです。
私たちを遠くに(といっても、市内往復で10キロぐらいの距離)連れて行くことに同意してくれた運転手と、当たり前のこととして出発前に値段交渉しようとしたら
「メーターを下ろして仕事をすると、違反になる」と言われ、きっちりタクシーメーターで計ってお金を払うことになりました。(ごまかしがない分、客としては安くなって助かったのですが。)
また、交通法規や車道規制も、相変わらず猫の目のように変わっています。しかもそれはますますひどくなっているようです。
昨日まで曲がれた道が一方通行規制が敷かれて突如、曲がれなくなったり、地図にある公共の場所が、思いがけないほど遠くの郊外に移転していたり、とタクシーの運転手もとまどう状況が多発している模様。
実際、市内の便利な場所にあったバスターミナルが昨年末に移転していたのですが、それをしらないホテルマンと我々に対してタクシーの運転手が、
「ここは10分じゃ、着かない。30分以上はかかるよ。引っ越したんだよ。なんならホテルの人に聞いてから乗ってくれ」と言われ、ホテルの人、数名に聞くはめになり、それでも答えは半々でした。
実際には郊外に立派なバスターミナルが出来上がっていたのですが、その事情はバスターミナルが開業したころの地元新聞か、その新バスターミナルの受付にちんまりと置かれたチラシを手に取らない限りわからない、というお粗末な状況だったのでした。
(下につづく)
それ以前は市内にほど近い「東菊」バスターミナルに行けば、雲南東部地域に行けたのだが、そちらのバスターミナルは現在、閉鎖され、「東部」は遠くなってしまった。このことは昆明で売られているあらゆるガイドブックにも、地図にも反映されていない。困ったものである。
【究極のワークシェアリング】
これが昆明から離れると、運転手も本来の姿に。地図も頭に入っており、わからない場所なら、仲間に携帯電話で場所を確認し、当たり前のように誇りを持って誠実に任務を遂行してくれます。
昆明も2年前までは、そうでした。行き先を告げると「好(ハオ/わかった)」という返事がちゃんと返ってきたのです。
昆明のタクシー運転手の気質の変化には、何かありそうです。
考えてみました。
一つにはタクシーの人口あたりの台数が減っているようです。夕方や早朝の繁忙期にタクシーを捕まえるのはまず、無理。30分以上、待ってもダメでした。みんな客を乗せているのです。
このことから、
「タクシーの参入を制限しているのかな」
というように考えました。それも、少しはあるようです。でも、それでは乗車拒否の説明にはなりません。とすると、
「もしや、究極のワークシェアリングの実現かな。」と思いました。 つまり一日50元(約3万3000円)稼げば上々の昆明で、初乗り8元のタクシーを6~7回、稼働させれば、整備費、ガソリン費を差し引いても、十分です。(普通、10元以上は乗るでしょうから。)つまり一回、10分として1時間、近場の知っているところだけをまじめに走れば、一日の稼ぎになる、というわけです。必要以上に働かなければ、他の車に仕事のチャンスを回せるかもしれません。なんという心遣い。無理をせず、大きく稼ぐ必要も大望もない。じつにうらやましいほどの平常心を身につけている、のかもしれません。
もう一つ。街を歩くとすぐ気づくことがありました。沿道には、そこら中に「報警」と書かれた白テントがあって、中で警官が目を光らせているのです。
私たちを遠くに(といっても、市内往復で10キロぐらいの距離)連れて行くことに同意してくれた運転手と、当たり前のこととして出発前に値段交渉しようとしたら
「メーターを下ろして仕事をすると、違反になる」と言われ、きっちりタクシーメーターで計ってお金を払うことになりました。(ごまかしがない分、客としては安くなって助かったのですが。)
また、交通法規や車道規制も、相変わらず猫の目のように変わっています。しかもそれはますますひどくなっているようです。
昨日まで曲がれた道が一方通行規制が敷かれて突如、曲がれなくなったり、地図にある公共の場所が、思いがけないほど遠くの郊外に移転していたり、とタクシーの運転手もとまどう状況が多発している模様。
実際、市内の便利な場所にあったバスターミナルが昨年末に移転していたのですが、それをしらないホテルマンと我々に対してタクシーの運転手が、
「ここは10分じゃ、着かない。30分以上はかかるよ。引っ越したんだよ。なんならホテルの人に聞いてから乗ってくれ」と言われ、ホテルの人、数名に聞くはめになり、それでも答えは半々でした。
実際には郊外に立派なバスターミナルが出来上がっていたのですが、その事情はバスターミナルが開業したころの地元新聞か、その新バスターミナルの受付にちんまりと置かれたチラシを手に取らない限りわからない、というお粗末な状況だったのでした。
(下につづく)