雲南省中東部の文山付近の農村の食事。枝豆などの豆料理がふんだんに取りそろえられる。
【豆類の作付面積、全国一】
さて、この1946年の中国全土の収穫物の調査資料を基に、独自に収穫物に占めるそら豆とえんどう豆の比率を計算してみました。すると以下の通りになりました。
「全糧食作付け面積統計の中でそら豆とえんどう豆が占める作付面積の割合の主なもの。
黒竜江省10%、遼寧省14%、吉林省10%、山西省14%、河北省2%、山東省1%、河南省5%、浙江省13%、湖北省14%、湖南省12%、福建省2%、広東省2%、四川省17%、貴州省13%、雲南省24%」
(上記は『民国時期糧食安全研究』(任新平著、2011年、中国物資出版社)で掲載された資料をもとに、筆者が作成)
このように中国西南地域においてそら豆とえんどう豆の作付け面積が多く、なかでも雲南が全国一だったことがわかります。ちなみに資料を精査すると、当時、遼寧省ならコウリャンが全国一、吉林省は大豆全国一、河南省は小麦が全国一、広東省は稲が全国一となっており、それぞれの地域の主食の特徴がはっきりとあらわれていました。
このように他省と比べても、雲南では普段の食生活が豆に依存する献立となることが作付面積からも裏付けられました。
食料が不足していた文化大革命時代は、水の比率を高めた「今で言うと粗悪な米線」に蒸し上げられたものを食べて飢えをしのいだ、というエピソードもありますから、それよりも豆類に依存した食生活の方がはるかにましな献立だったのでしょう。
現在では、ある程度のお金を出せば、黒竜江省など中国東北地方からの優良なお米が手軽に手に入る時代。「豆悶飯」などは、雲南料理の店に行ってようやく食べられるものとなっていますし、人々は米線もしっかりとお米の風味のある最高においしい米線が食べられる「豊かな時代」を満喫しています。
それでも、豌豆粉などの豆類料理が他省とは独自の味の展開を見せ、独特の存在感を放つのは、その地域性や歴史が深くかかわっているからでしょう。
(「雲南のお豆」の章、おわり。次週の更新はお休みさせていただきます。)
*次回のテーマはこの回の料理写真にもでていた「こんにゃく」。おたのしみに。
【豆類の作付面積、全国一】
さて、この1946年の中国全土の収穫物の調査資料を基に、独自に収穫物に占めるそら豆とえんどう豆の比率を計算してみました。すると以下の通りになりました。
「全糧食作付け面積統計の中でそら豆とえんどう豆が占める作付面積の割合の主なもの。
黒竜江省10%、遼寧省14%、吉林省10%、山西省14%、河北省2%、山東省1%、河南省5%、浙江省13%、湖北省14%、湖南省12%、福建省2%、広東省2%、四川省17%、貴州省13%、雲南省24%」
(上記は『民国時期糧食安全研究』(任新平著、2011年、中国物資出版社)で掲載された資料をもとに、筆者が作成)
このように中国西南地域においてそら豆とえんどう豆の作付け面積が多く、なかでも雲南が全国一だったことがわかります。ちなみに資料を精査すると、当時、遼寧省ならコウリャンが全国一、吉林省は大豆全国一、河南省は小麦が全国一、広東省は稲が全国一となっており、それぞれの地域の主食の特徴がはっきりとあらわれていました。
このように他省と比べても、雲南では普段の食生活が豆に依存する献立となることが作付面積からも裏付けられました。
食料が不足していた文化大革命時代は、水の比率を高めた「今で言うと粗悪な米線」に蒸し上げられたものを食べて飢えをしのいだ、というエピソードもありますから、それよりも豆類に依存した食生活の方がはるかにましな献立だったのでしょう。
現在では、ある程度のお金を出せば、黒竜江省など中国東北地方からの優良なお米が手軽に手に入る時代。「豆悶飯」などは、雲南料理の店に行ってようやく食べられるものとなっていますし、人々は米線もしっかりとお米の風味のある最高においしい米線が食べられる「豊かな時代」を満喫しています。
それでも、豌豆粉などの豆類料理が他省とは独自の味の展開を見せ、独特の存在感を放つのは、その地域性や歴史が深くかかわっているからでしょう。
(「雲南のお豆」の章、おわり。次週の更新はお休みさせていただきます。)
*次回のテーマはこの回の料理写真にもでていた「こんにゃく」。おたのしみに。