平日午後2時半にミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」を見に行きました。日本ではミュージカルの舞台は数回、見た程度で、どちらかというと歌舞伎などが好きなのですが、やはり本場のものは本場で見てみたい。
ウエストエンドの片隅、チャリングクロス駅のほど近く、すぐ横にはテムズ河が流れ、歩行者専用のハンガーフォード橋がかかるいかにもロンドン、という場所にありました。プレイハウス劇場(THE PLAYHOUSE)です。
ここでは初演より演出を替えての再演をかけることが多いらしく、現在は映画にもなった「キャバレー」が上演されています。これが特別なのではなく、ウェストエンドでかかっている舞台は「オペラ座の怪人」「レ・ミゼラブル」「マンマ・ミーア」など一度は映画でもみたものがほとんど。シェイクスピア劇も何度も何度も再演され、黒澤明監督が演出すると「マクベス」が「蜘蛛巣城」という、戦国時代の武将の話になるように、演出の妙を楽しむのも舞台のだいご味なのでしょう。
有名ミュージカルなら英語がわからなくても、筋が追える安心感があります。といっても、わかっているのは家人で、私の知識はユダヤ人一家のなにかの話、昔、森繁久彌さんが長らく演じていたミュージカル、という程度。
開場とともに入ると二階席の、滑り落ちそうな階段上の席でした。始まる前から客席は薄暗く、足元がおぼつかなかったのですが、開演前のピリピリとした緊張は伝わってきました。
いざはじまると、姉妹たちと頑固で愛情あふれる父、やさしくしっかり者の母、と土台がしっかりしていたので、英語はほどほどでもすっと世界に入っていくことができました。
かつて日本のミュージカルで感じた気恥ずかしさや、無理な発声がなく、動作も自然で納得できました。小さな劇場とはいえ、かなり舞台からは遠かったのですが、没入感があったのは、役者と演出の妙でしょうか?
ただ、私と同じように観光客らしき人が、元々は私の後方の席だったのに、途中から私の前の空いている席に移動してきて、とても見ずらくなってしまったのは残念。日本でも、こういうことはたまにありそうですが、落ち着きのなさがすごすぎた!
舞台はガーディアン紙で最高の5つ星の評価だったそう。舞台もほのかな明かりで私ごのみ(目にやさしい)。劇場はというと値段がちょっとお高くなるアッパー席はガラガラ。一方でお値段お安めの席はほぼ満席。つまり私の前に来た人は、安い席から高い席に、勝手に移動した、というわけです。
あと演者の声をマイク越しではなく、地声で聞けたらなおうれしい。小さい劇場でも、難しいのでしょうか?
帰りはテムズ河沿いに歩いてビクトリア公園へ。ロンドンは緑深い公園がそこら中にあって、散歩したくなるのです。
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