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ツバメとコウモリ7 SARSの元凶?

2014-01-12 14:50:34 | Weblog
写真は建水・燕子洞の参観経路の最深部。歩くだけ歩いて洞窟探検を満喫した後は用意された龍の頭のついた手こぎボートで洞窟の出口まで遊覧できる。生暖かい風が、なかなか気持ちいい。(2006年8月撮影。現在も同様のサービスあり)

【ほ乳類全体の4分の1を占めるコウモリ】
 100年以上前の探検記では見られたコウモリ。今ではコウモリの住み処にツバメが住み着いたとでもいうのでしょうか。

 じつはそういうことはなく、単に人々に好もしい感じを与え、観光の目玉としやすいという観点からコウモリも住む洞窟に「燕子洞」の名が定着するようになった、というのが実情のようです。

 そういえば最近、気になる記事がありました。

「雲南省のキクガシラコウモリからSARSウイルスとほとんど同じ遺伝子の塩基配列を持つコロナウイルスを分離し、コウモリから直接人へ感染する能力があることを確認した」というニュースです(国際研究チームが10月30日付けの英科学誌ネイチャー電子版に発表。)

 2002年から2003年に大流行し世界で750人以上が死亡したSARS。すでに流行は終息していますが、これまでもコウモリがSARSウイルスの宿主といわれてはいても、実際に人にうつるには、そこからイタチのようなほ乳類に感染してから、といわれていました。それが直接感染する可能性があることが判明したのです。

 そもそもコウモリは極地ツンドラと一部の島々をのぞく世界中に生息している上、その種類は980種以上発見されているとか。ほ乳類全体の約4分の1を占める種数です。これを人から遠ざけるのは、そうとう難しいことが予測できます。

 ちなみに、キクガシラコウモリはユーラシア大陸全域のほか日本にもいる一般的なコウモリ。富士山西湖のコウモリ穴にいるのがこの種です。

 そういえば以前、日本の我が家で、小さく裂けた網戸からコウモリが入ってきたことがありました。薄くてヒラヒラして、意外と小さいので「クロアゲハ」と間違え、捕まえると暖かいのでギョッとしたことも。また我が家の近くの軒先では、毎年、ツバメが巣を作ってツバメの雛の様子を楽しませてくれます。私自身、これだけツバメを見たときとコウモリを見たときの反応が違うのですから、洞窟の名前が「コウモリ洞」ではなく「「ツバメ洞」とネーミングされる理由には深く同調できます。100年前の日本人はどちらに親しみを覚えたのか、気になるところではあります。
(つづく) 
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