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「折」される人々・下

2014-11-01 14:05:12 | Weblog
写真は浙江省金洲集団股分有限公司(金孔雀旅遊集団)が経営するミャンマー国境にある町打洛にあるシーサンパンナ原始森林公園内の目玉である「独樹成林」。一本の樹から林になった樹だ。高さ70メートルほど、幅120メートルほどの樹木の絡まり。樹齢1000年になるという。1960年代の文革はこのミャンマー国境近くのこの樹にまで及び、もう少しで切り倒されるところだったという。

現在、樹自体は打洛曼掌村が管理している。
スローガンは「原始森林、野生動物、民俗風情」
このスローガンのもとに孔雀繁殖基地、森林ウオーク、アイニ族の家の展示、民族歌舞演場での民族の踊り、レストランなどが16000万平米(東京ドーム約1300個分)の敷地に点在する。
 民間企業が手がける広さではないが、この業者の手がける公園は昆明でも郊外の野生動物園など数多くある。

【富士急ハイランドと「古城」】
 雲南南部のシーサンパンナに10年前に行ったときは、よりひどい状況でした。
ときは2005年、行くところ行くところ寂れてサルしかいないようなテーマパークばかり。もしくは観客より演者や作業員の方が多いところばかり。シーサンパンナは昆明より早くテーマパークブームがきて、そして去っていったのです。
 地元政府は開発業者の味方をし、農民は少ないお金で生活の保障もないまま追い立てられる。開発業者は10年もしないうちに去っていったり、売却したり。
ちゃんとテコ入れして継続させているところもありますが、ますますテーマパーク風のつくられた感が増してしまうような。
その開発業者はまず間違いなく地元とは縁もゆかりもない浙江省や重慶などからきたテーマパーク請負会社なのです。
日本のテレビでもよく特集されていますが、これは雲南だけに限ってことではないにしても、どうも少数民族風情という要素で村おこしできるがために、テーマパークをつくる割合が他省よりかなり多いようです。この開発も含め、比較的おとなしい昆明周辺の農民が死者もいとわないのはよほど、道理がひどかったのでしょう。
よく、晋寧県の事件がマスコミに報道された、と思いますが、もしや中央政府の引き締めキャンペーンの一環ではないか、と勘ぐってしまいます。実際、第一報は付近の政府、そして報道は地元新聞ではなく、北京の記者によるものでした。
ちなみに中国のユーチューブにあたる優酷(ヨウグー。たぶんyou goodの音をとった名称)で「旅游古城」と検索をかけると、歴史を伴った古城や張りぼてのニセモノ古城が、その宣伝映像やテレビの特集をアップした形でずらりと並んでいました。多くは四川と雲南。そこに日本の富士急ハイランドも同列に扱われていました。いかに「古城」が本物から遠ざかっているかがわかりますね。
コメント
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