写真は麗江の保存住宅の前で組紐を編むナシ族の女性たち。細やかで華やかな花などをモチーフにした刺繍や織物など、魅力的な手仕事は見ていて飽きない。組紐の作り方は、かつて私のおばあちゃんが群馬でやっていたモノと作り方がまったく同じで、懐かしさを覚えた(2004年6月撮影)
【単騎、千里を走る】
2008年4月25日の当ブログ「閑話休題・中国語の力」の回で2004年に高倉健主演、チャン・イーモウ監督による『単騎、千里を走る』が雲南で撮影された話にチラリと触れました。今回は追悼として割愛した部分を取り上げます。
麗江での撮影時にはマスコミが高倉健のショットを一枚でも撮ろうと文字通り殺到し、涙ぐましい努力にもかかわらず、あまりのガードの固さに「高倉健が朝、コップを持って部屋から出てきた」などのしょうもない隠し撮りがせいぜい。
10年間ラブコールを送り続けたチャン・イーモウ監督
(『紅いコーリャン』でベルリン国際映画祭金熊賞受賞など。北京オリンピック開会式、閉会式のチーフディレクターもつとめた)
は、『単騎、千里を走る』の撮影前にも雲南を仕事で訪れていました。雲南を代表する舞踏家ヤン・リーピン率いる「雲南印象」のメンバーを雲南の紅い大地の上で撮影した躍動感溢れるタバコのCMなどはすばらしい仕上がりです。
CM撮影時、雲南マスコミは世界のチャン監督と対等に和気藹々とアイディアを出し合い、演出をするヤン・リーピンに尊敬のまなざしを向ける記事が目立っていました(2004年他)
こうしてロケハンをして作り上げた映画はほぼ素人のみの役者陣のなかに、ポンと高倉健を放り込んだ作りで、高倉健の存在そのものが周囲へ及ぼす化学反応をフィルムに収めたような不思議な映画となっています。監督の高倉健への尊敬と信頼が生み出した映画といえるでしょう。
また映画初出演のほぼ素人に近い日本語通訳役の女性とのツーショットの写真を撮ろうものなら、「これからの活躍に期待」「未来のチャン・ツイイー」(章子怡:チャン・イーモウ監督の『初恋の来た道』で脚光を浴び、その後『グリーン・ディスティニー』『ヒーロー』など多数の映画に出演)とまで持ち上げていた彼女へのコメントが一転、冷たい反応になったのも、心底、高倉健が中国人に愛されていた証拠だと驚いたものです。 (つづく)
【単騎、千里を走る】
2008年4月25日の当ブログ「閑話休題・中国語の力」の回で2004年に高倉健主演、チャン・イーモウ監督による『単騎、千里を走る』が雲南で撮影された話にチラリと触れました。今回は追悼として割愛した部分を取り上げます。
麗江での撮影時にはマスコミが高倉健のショットを一枚でも撮ろうと文字通り殺到し、涙ぐましい努力にもかかわらず、あまりのガードの固さに「高倉健が朝、コップを持って部屋から出てきた」などのしょうもない隠し撮りがせいぜい。
10年間ラブコールを送り続けたチャン・イーモウ監督
(『紅いコーリャン』でベルリン国際映画祭金熊賞受賞など。北京オリンピック開会式、閉会式のチーフディレクターもつとめた)
は、『単騎、千里を走る』の撮影前にも雲南を仕事で訪れていました。雲南を代表する舞踏家ヤン・リーピン率いる「雲南印象」のメンバーを雲南の紅い大地の上で撮影した躍動感溢れるタバコのCMなどはすばらしい仕上がりです。
CM撮影時、雲南マスコミは世界のチャン監督と対等に和気藹々とアイディアを出し合い、演出をするヤン・リーピンに尊敬のまなざしを向ける記事が目立っていました(2004年他)
こうしてロケハンをして作り上げた映画はほぼ素人のみの役者陣のなかに、ポンと高倉健を放り込んだ作りで、高倉健の存在そのものが周囲へ及ぼす化学反応をフィルムに収めたような不思議な映画となっています。監督の高倉健への尊敬と信頼が生み出した映画といえるでしょう。
また映画初出演のほぼ素人に近い日本語通訳役の女性とのツーショットの写真を撮ろうものなら、「これからの活躍に期待」「未来のチャン・ツイイー」(章子怡:チャン・イーモウ監督の『初恋の来た道』で脚光を浴び、その後『グリーン・ディスティニー』『ヒーロー』など多数の映画に出演)とまで持ち上げていた彼女へのコメントが一転、冷たい反応になったのも、心底、高倉健が中国人に愛されていた証拠だと驚いたものです。 (つづく)