写真のつぶれた円盤状のものは、大理の干し柿です(2005年2月・大理の市場にて撮影)
中国全土、干し柿といえばこの形。別に、柿が日本と違う形状をしているというわけではなく、つくる段階で、縦に押しつぶして平たくし、効率よく乾燥するための昔ながらの製法なのです。
日本に流通する干し柿の1割以上が中国産になっているそうですが
(丸果石川中央青果ホームページhttp://www.maruka-ishikawa.co.jp/fruits/items002/hoshikaki.htmより)山東省など最初から日本向けに生産するところでは、日本流でつくられています。同じ柿なのですから、仕上がりは日本のものと同じになります。
雲南では干し柿の名産地といえば大理。
地元紙「春城晩報(2010年1月26日)」によると、初秋に柿がなりはじめ、青から赤く色づきはじめる頃、ちょうど外皮がほとんど緑色の中に黄色の帯が入る程度の頃に柿を収穫します。当然、食べてもまずいです。柿を洗い、皮を取り去った後、竹籠に並べて日にさらします
(3日ほど経った頃に、柿を押しつぶす作業が入るのですが、これは中国では当たり前すぎて書かれていません)。
だいたい一週間ほどで出来上がり(それ以上、干していても可)。シュロの葉で5から10個ずつにまとめ上げて乾燥した木箱に入れれば、あとは市場に出すだけとなります。
このまま食べてもいいのですが、大理では普通は調味料として用いられています。糖分が高いので砂糖がなかなか手に入らない時代では蜂蜜とならんで貴重な甘みとなりました。
大理の白族では「頭苦、二甜、三回味」と称される三道茶と呼ばれる大切な客をもてなすお茶の作法があります。お茶は3杯出され、1杯目は苦いお茶、2杯目は甘いお茶、3杯目には、これらを思い出す甘辛両党が入った滋味あふれるお茶を出すというのです。この2杯目の甘いお茶に干し柿の細切りを使うのです。
また、干し柿は漢方では、ビタミンAやタンニン、食物繊維、糖分が豊富に含まれているため咳止め、解熱作用、病後回復、二日酔いの回復、腸内の改善によいとされています。そのため白族では病後や産後の回復期には干し柿と氷砂糖と棗と卵、もしくは干し柿と卵、白玉のようなお餅(湯圓)を入れて煮立てて食べるそうです。
ちなみに干し柿は寒性の食べ物なので、冷え性の人や胃の弱い人は食べ過ぎないように。タンニンは鉄分の吸収を妨げ胆汁の分泌を阻害するので胆嚢炎や胆石の人はご注意を。
(つづく)
*今回は肩の力を抜いて、お読みください。
中国全土、干し柿といえばこの形。別に、柿が日本と違う形状をしているというわけではなく、つくる段階で、縦に押しつぶして平たくし、効率よく乾燥するための昔ながらの製法なのです。
日本に流通する干し柿の1割以上が中国産になっているそうですが
(丸果石川中央青果ホームページhttp://www.maruka-ishikawa.co.jp/fruits/items002/hoshikaki.htmより)山東省など最初から日本向けに生産するところでは、日本流でつくられています。同じ柿なのですから、仕上がりは日本のものと同じになります。
雲南では干し柿の名産地といえば大理。
地元紙「春城晩報(2010年1月26日)」によると、初秋に柿がなりはじめ、青から赤く色づきはじめる頃、ちょうど外皮がほとんど緑色の中に黄色の帯が入る程度の頃に柿を収穫します。当然、食べてもまずいです。柿を洗い、皮を取り去った後、竹籠に並べて日にさらします
(3日ほど経った頃に、柿を押しつぶす作業が入るのですが、これは中国では当たり前すぎて書かれていません)。
だいたい一週間ほどで出来上がり(それ以上、干していても可)。シュロの葉で5から10個ずつにまとめ上げて乾燥した木箱に入れれば、あとは市場に出すだけとなります。
このまま食べてもいいのですが、大理では普通は調味料として用いられています。糖分が高いので砂糖がなかなか手に入らない時代では蜂蜜とならんで貴重な甘みとなりました。
大理の白族では「頭苦、二甜、三回味」と称される三道茶と呼ばれる大切な客をもてなすお茶の作法があります。お茶は3杯出され、1杯目は苦いお茶、2杯目は甘いお茶、3杯目には、これらを思い出す甘辛両党が入った滋味あふれるお茶を出すというのです。この2杯目の甘いお茶に干し柿の細切りを使うのです。
また、干し柿は漢方では、ビタミンAやタンニン、食物繊維、糖分が豊富に含まれているため咳止め、解熱作用、病後回復、二日酔いの回復、腸内の改善によいとされています。そのため白族では病後や産後の回復期には干し柿と氷砂糖と棗と卵、もしくは干し柿と卵、白玉のようなお餅(湯圓)を入れて煮立てて食べるそうです。
ちなみに干し柿は寒性の食べ物なので、冷え性の人や胃の弱い人は食べ過ぎないように。タンニンは鉄分の吸収を妨げ胆汁の分泌を阻害するので胆嚢炎や胆石の人はご注意を。
(つづく)
*今回は肩の力を抜いて、お読みください。