雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

大理の干し柿2

2014-11-14 12:27:23 | Weblog
写真はシーサンパンナの中心都市・景洪の農貿市場にて撮影(2005年2月。)写真左上に写りこんだ秤用のアルミ皿の大きさを見ても、今日の話題とする瓜がいかに小さいかがわかる。
【三道茶】
さて、先週、干し柿の細切りを入れるお茶を2杯目に出すという三道茶ですが、中身は様々で中国のウィキペディアでは一杯目には炙りすぎたほうじ茶を煮立てたようなお茶、
二杯目にはクルミの細切りに乳扇と呼ばれる白族に伝わるチーズを薄く干したようなものと黒砂糖(紅糖)、
三杯目には蜂蜜と山椒の粒(花椒)
を入れたお茶が代表して書かれています。要は1杯目が苦く、2杯目が甘く、3杯目が複雑な味なら、いいのでしょう。

三道茶は人生を表すお茶とされ南詔時代(唐の時代のころに大理にあった国)に宮廷で出されていたものが、やがて庶民にも広まったといわれています。南詔は仏教国だっただけに、蒼山の麓に住む木の細工師のお師匠さんと弟子の禅問答形式として三道茶のルーツの話も残されています。

大理もご多分にもれず、観光地化が進みました。

大理風情を表す商品として、まず手をつけたのが「三道茶」でのおもてなし。洱海遊覧船の中でも、大理古城内でのお店でもたくさん「三道茶」の看板を見かけました。
 私が訪れた一〇年前ですでに、看板だけ出ていて、ごく普通のお茶がでてくる、というところもありました。観光のために新たにつくったお茶の作法なのかしら、と思うほど形骸化していたのです。

【柿餅瓜】
さて、干し柿を中国語では「柿餅(シーピン)」といいます。そして雲南のタイ族料理の一つに「清炒雲南柿餅瓜」があります。このメニューを読むと、柿餅(つまり干し柿)と何らかの瓜の炒め物、と思えるのですが、違います。雲南には「柿餅瓜」という名前の瓜があるのです。

 これは坊ちゃんカボチャぐらいの大きさの小さめのかぼちゃで、雲南の中部から南部に行くと、スープに入れたり、細切りにして炒め物にして、よくメニューに供されます。

 日本のカボチャのように甘さを期待するのではなく、あくまでさっぱりとした瓜としていただきます。私も、シーサンパンナや文山では、よく食べました。昆明ではあまり見かけませんでした。

 しかし、このカボチャが押しつぶした干し柿に形がそっくり、と思う発想が、なんだかかわいらしい気がします。日本では、味も品種も違うけどカボチャに「坊ちゃん」とつけていますね。これも、やはりかわいらしさと親しみやすさを表すネーミングとして定着したのでしょう。
 ちなみに中国語でトマトは「西紅柿」。西からきた赤い柿。様々な野菜の名前に柿が付く所から見ても、柿がいかに中国に古くから根付いていたかがよくわかります。
                               (この章おわり)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする