

写真上はプーアル茶を圧縮して固めた「茶餅」と呼ばれるもの。下はそれを風格があるように紙で包装したもの。羅平の固いハチミツの高級なものもこのように固めて茶餅とそっくりの表装を施し、黄色い布のついた固い包装紙に高級感あふれる形で置かれてる。
雲南では茶馬古道で遠くは北京まで運ぶ際に馬の背に振り分けて長い道中運ぶため、塩でもなんでも固めて運ぶ習慣があり。
(2005年撮影。)
【羅平のかたーいハチミツ】
羅平県の菜の花油は雲南では一級品の食用油として人気があります。(数年前、当ブログでも羅平県の見渡す限りの菜の花畑をご紹介しました)なんといっても、店先に赤いペンキで大きく「羅平油」と書けば、それは食用油の品質保証と同義語になるほどです。
食用油を採るための、いく山も続く広大な菜の花畑は、ハチミツの採取にもうってつけ。2003年当時で県では野生蜜源が32種類あるなかで菜の花が30余万畝(213平方キロメートル=東京ドーム約1万6390個分)、レンゲの花が7万畝(47平方キロメートル=東京ドーム約3590個分)、ミツバチは6万群あり、1500トンあまりを生産していました。
羅平県では1988年より政府の肝いりで羅平県ハチミツ基地項目センターが設置され本格的にハチミツの生産加工場の建設が始まり、2003年には1000万元(1億9000万円)規模の投資をして、生産加工、瓶詰め、研究センターなどが増強されました。
羅平県に限らないのですが、雲南産のハチミツはよく固まります。日本だったら使いやすくするために固まらない工夫を重ねるところですが、雲南はその逆。
プーアル茶も円盤状に固めて、使うときはナイフで削って茶葉をほぐしますが、ハチミツも円盤状のプーアル茶とそっくりに固めてしまいました。きっちりと固まると、それだけ品質が劣化しにくいそうなのです。
それを羅平県では『皇蜜』という名で国際農業博覧会に出品し、2011年には金賞を受賞。以後、2013年、2014年には雲南の誇る一級品として中国南アジア博覧会などに積極的に出品し、海外の注目を集めつつあります。 (つづく)