写真は、セブ島のスーパーで売られていたTシャツ。時代劇ファンか主張のわかる人が着るのなら正統だが、たぶん違うのだろう。
【「やらされている」感じ】
伝統ある家柄というのは、どこもたいへんなのかもしれません。彼女なりにやりがいのある方向の進路を選択したようなのですが、家族や親族からみたら、それほど価値があるように思えない。彼女もみんなの期待には応えていないという、一般家庭なら十分ステキな人生だというのに、負い目を感じている。
そこでセブ留学が浮上。ひょっとすると彼女は気乗りしないのに、家族に迫られ、やってきた、というところ。
クラス編成があって初めての顔合わせの第一声が
「なんで私、進級なの~? 前のまんまでいいのに~」
でした。
彼女の反抗で授業が進まぬ状況に、先生方は困った顔をしつつも、ソフトに、ときには笑いを取りながら、彼女に話しかけていました。そのやさしさがなんともフィリピンらしい。でも、それで解決することは一つもありませんでした。
やがて彼女から日本人のサポートスタッフに相談して個別授業に変更して去って行きました。
普通の留学生は、わざわざセブの「格安」を選んだだけにお金の重みをずっしりと感じています。だから、かかったお金の元をとろうと、気合いが入った勉強姿勢を見せるもの。ところが彼女は違いました。
気の毒なのは、自ら望んだわけではなく、親や学校から強制的にセブに送られてくる人がいる、という事実です。日本人サポートスタッフに聞いたところでは、とくに夏休みなどの学校の長期休暇時期なると、そのような生徒が増えるのだそう。
そういうわけで、今日も宿舎の夜の見回りは続いていくのでした。
(つづく)