【一人部屋も】
前回書いた夜回りのある学生主体の宿舎以外に、社会人向けの宿舎もあります。
こちらはホテルからやや離れた場所にある2階建てのアパートです。街中で、入口には警備の人がいて、部屋は全個室で、テレビ付き。お値段も少し高めです。
大人用なので当然、見回りもありません。
これじゃあ天国じゃないか、とそれを聞いて思ったのですが、今度は別の問題がありました。
学校から徒歩3分ほど離れているのです。
たいした距離ではないといえばそうなのですが、学校本体も、学費に含まれている食事もプールも、とにかくすべての施設はホテルの敷地にあるのです。
つまり、生活するには町を歩いてこちらに来なければなりません。
ところが、セブにはほぼ毎日、スコールがあるのです。何度もいうように道は水はけの悪さで犬の糞も浮かぶ状況。観光ガイドの客引きもいます。
さらに空気にも問題があるのでした。
【のどが痛い!】
ホテルにある3人部屋はオーシャンビューで、いかにも、セブ、といった青い海と島々と船、なにより朝日が昇る眺望が自慢です。
私のいた部屋はホテルの8階で2人部屋。窓は陸側に開放されているので海は見えません。そのかわり、緑の森が目の前に広がっています。
この窓から、寂しげに沈む夕日を見ていると、森からまっすぐに立ちのぼっていく、幾筋もの白い煙。同じ部屋の家人は「みんな、夕餉の支度をしているんだね」とほのぼのしていたのですが、どうも、この煙、尋常ならざる匂いがある。そう、ビニールの焼ける匂いがするのです。私は即座に窓を閉めました。
その後も何度となく、この煙に悩まされたのですが、一時間も閉め切ればなんとか乗り切れることがわかりました。
週末、歩道のない道路のへりを犬と車をよけながら歩いて周辺の森と見えるところまで行ってみると、まばらな木々の間に簡易なつくりの家々が点在していることがわかりました。やはり煙はゴミを燃やしているものでした。ゴミ収集はないのでしょうか?
(つづく)