写真は「フロル・ドス・ジェロニモス」のバカリャウ入りチャーハン。複数の香辛料の塩梅がほどよい。
【日本好みの味つけ】
ポルトガル研究者のKさんはグルメでした。行く店行く店にはずれがない。しかも値段も高くない。
お昼に行ったレストランは観光地の一角の小さなお店、Flor Dos Jeronimos(フロル・ドス・ジェロニモス)。ビニール製の赤と白のチェックの上に、白い紙のクロスといった日本の庶民的な洋食屋といった感じです。
料理はポルトガルの外食の定番と思われるものが並びました。
バカリャウ(塩漬けにした干しタラを水で戻したもの)入りチャーハン、
豚のスネの蒸し物、牛肉の目玉焼きのせ。
チャーハンは卵を絡めて食べやすく、他の料理もしっかりと肉の味が下支えして、コリアンダーなどと絡んだ、やさしい味です。というか、懐かしい味。田舎のおばあちゃんがコトコトと大鍋で煮込んだようなかんじです。
戦国末期から江戸時代初期、南蛮人としてスペイン、イギリス、オランダなどから日本に渡来していたのに、なぜか南蛮料理として残ったのはポルトガル料理でした。不思議に思っていたのですが、納得できました。海のものから出汁をとった煮込みや、塩気も油も強くない料理の数々。とにかく日本人好みの味なのです。
ビールは、発酵が中途半端でアルコールが低めのお酒が好きな私でも薄くて、低いなあ。ここはワインの国なのでしょう。
写真は海洋博物館の本物の船が並ぶ部屋にて。
【海洋博物館】
午後は川沿いのベレンの塔から陸に1キロ強入ったところにある世界遺産のジェロニモス修道院とその建物の増築部分をあてた海洋博物館へ行きました。海洋博物館では大航海時代の船の模型が実物に近い大きさで並んでいて壮観。当時の海洋地図の展示もあり、見ごたえがあります。
研究者一行が博物館のミュージアムショップでひたすら書籍や当時の地図のレプリカの収集をしているので、私は館内を歩く人を見るともなく見ていました。
【深く考えるお顔立ち】
ちょっとそばかすがあって色白で髪の毛が金髪から亜麻色で縮れている少女たち。細面で目の彫りが深いせいか、何か考え込んでいるようにも見えます。マドリードの人は感情がすぐに顔で出るような情熱的で印象があったので、ずいぶん違うものだなあと驚きました。同じイベリア半島でもスペイン人とはずいぶん違うようです。
(つづく)
※次回はジェロニモス修道院とシントラ珍道中です。