写真はサン・フランシスコ教会の入口から見える祭壇。豪華できらびやかで大航海時代に世界の覇権を握った時代のポルトガルが吸収したイスラム風、ルネッサンス様式、東洋的装飾などで彩られたマヌエル様式が特徴。
●サン・フランシスコ教会●
16世紀に建てられた街はずれの教会。となりには現役の市場もあります。肉の解体もすれば、墓地もある、という世界中の中世によくある郊外の風景です。入口を入るとマヌエル様式の立派な造りで美しい教会という以外の何物でもない建物なのですが、その脇の礼拝堂「カペラ・ド・ゾス(CAPELA DOS OSSO」のインパクトがすごかった。
大聖堂よりはるかに光の差し込む明るい場所だなあと、ふと壁を見るとなんだかおかしい。不思議な凹凸があって、ゴツゴツしています。
「人の骨ですね」
とKさん。モチーフのように一体から数体飾られているのではなく、隙間なくびっちり。これだけあると、人間なのかも分からなくなってきます。柱のように見えたところにはなんと頭骸骨が縦に並んでいました!
写真も撮り放題です。ネットにたくさんでているので「人骨堂(CAPELA DOS OSSO)」で調べれば、すぐにわかるでしょう。私は少し、血の気が引きましたが、おどろおどろしい空気は感じませんでした。
ここはエヴォラにあった42の修道院墓地に、ちゃんと埋葬されていない、つまり墓石などのない人骨が計5000体分あったので、どうしよう、という発想で作られたのだそうです。17世紀当時までの一般庶民の骨です。お堂の入口には、ポルトガル語で
「私たち骨はあなたのものをお待ちしています」
と書かれていました。
修道士の瞑想の場所だったそうですが、「メメント・、モリ(死を想え)」を直接的に訴えかけすぎていて、なかなかな場所でした。
写真は人骨堂の入口。ポルトガル語で書かれた内容は本文をご覧ください。