(注)HP「中東と石油」の「BP統計シリーズ」で2008年最新版をご覧いただけます。
(第1回)地域別および国別石油埋蔵量(2004年末)
BP統計によれば2004年末の確認可採埋蔵量(Proved Reserve;油田の埋蔵量から既に生産したものを除き、今後採掘が可能な原油の量、以下単に「埋蔵量」と言う)は約1兆2千億バレルである。因みにこれを同年の石油生産量8,026万バレル/日で割った数値R/P(即ち現在の生産量をあと何年続けられるかと言う数値)は、40.5年である。埋蔵量はBPのほか各種調査機関が公表しており、例えばOPEC Annual Statistical Bulletin 2004によれば1兆1,400億バレル、また2003年に石油鉱業連盟が発表した「世界の石油・天然ガス等の資源に関する2000年末評価」では、9,086億バレルとされている。数値に多少のばらつきは見られるが、世界の石油埋蔵量は約1兆バレル前後と言うのがほぼ共通した見方のようである。
地域別では中東が世界全体の62%を占め極端に集中しており、次いで欧州・中央アジア(旧ソ連圏)が12%、中南米、アフリカは共に9%、残り8%を北米とアジア・大洋州が占めている。(上図参照)
国別に見ると埋蔵量が100億バレル以上の国は17カ国である。世界最大の埋蔵量を有するのはサウジアラビアの2,600億バレルであり、同国1国だけで世界全体の2割強を占めている。第2位はイランの1,300億バレル、次いで第3位イラク(1,150億バレル)、第4位クウェート(990億バレル)、第5位UAE(978億バレル)と続いておりこれらはいずれも中東湾岸諸国である。そのほかベネズエラ、ロシアはいずれも700億バレル以上の埋蔵量を有している。 11位、12位に米国(294億バレル)及び中国(171億バレル)が入っている。両国は石油の消費大国であるが同時に世界有数の石油資源を有していることは注目すべきである。
- サウジアラビア 2,627億バレル
- イラン 1,325
- イラク 1,150
- クウェート 990
- UAE 978
- ベネズエラ 772
- ロシア 723
- カザフスタン 396
- リビア 391
- ナイジェリア 353
- 米国 294
- 中国 171
- カナダ 168
- カタール 152
- メキシコ 148
- アルジェリア 118
- ブラジル 112