石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

深まるサウジアラビアと中国の関係―エネルギー協力協定に調印

2006-01-25 | OPECの動向

(1/24 Arab News他)中国を訪問中のサウジアラビアのアブダッラー国王は、包括的なエネルギー協力協定など中国側と5つの協定を締結し、次の目的地インドに向かった。アブダッラー国王は皇太子時代に中国を訪問しているが、サウジアラビア国王が中国を訪問するのは1990年に外交関係を樹立して以来初めてであり、また昨年8月に国王に即位して最初の外遊先が中国となった。中国側はサウジアラビアが中国を重視している現われであると最大限の歓迎の意を表明している。また中国の旧正月(29日)及びイスラム暦新年(31日)と言う絶妙のタイミングであり、サウジアラビアの巧みな外交戦略もうかがわれる。 国王の随行団は、サウド外相、ナイミ石油相を含む6人の閣僚のほか、多数のビジネスマンなど総勢250人にのぼる。

 「石油、天然ガス及び鉱物資源に関する協力協定」は、ナイミ石油相とMa Kai中国国家開発委員会議長が調印した。ナイミ石油相は協定が包括的なものであり、具体的な案件は個々に取り扱う、と説明しているが、既に中国はサウジアラビアのルブアルハリ砂漠で天然ガスの探鉱作業を行っており(Gas Initiative計画)、一方、サウジ側もアラムコがSinopec及びExxonMobilと共に35億ドルのFujian製油所拡張の合弁事業に調印しており、さらにQingdao北部の石化プラントへの出資を検討中と報じられている。

 経済が急速に発展している中国では、石油の需要は年率15%の勢いで増加しており、昨年は1.3億トンの原油を輸入している。サウジアラビアからの輸入は2001年の880万トンが昨年は2千万トンに急増し、今後も中国のサウジ原油輸入は拡大するものと思われる。

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