(MENAなんでもランキング・シリーズ その5)
(世界平均を大きく下回るMENA諸国)
2.MENA各国の指数と世界順位
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/5-T01.pdf参照)
エネルギー構造効率指数(EAPI)は世界124カ国が評価対象となっておりそのうちMENAはパレスチナ自治政府を除く19カ国がランク付けされている。MENAで最もランクが高いのはイスラエルの世界38位であり、同国のEAPIは0.58である。次いでトルコ(世界47位、EAPI 0.57)、チュニジア(同55位、0.53)と続いている。世界124カ国の上位グループにいるのはこの3カ国だけであり、その他16カ国は下位グループにとどまっている。
MENA4位のアルジェリアは世界66位であり、エジプト及びモロッコが共に世界76位である。80位台にリビア(83位)、カタール、サウジアラビア及びUAEの湾岸3カ国が共に88位、そしてイラン、イラク及びクウェイトが98位である。その他の5カ国(シリア、オマーン、ヨルダン、バハレーン及びイエメン)は100位以下であり、中でもイエメンは世界最下位の124位である。
因みに世界1位はノルウェーで同国のEAPIは0.75である。また米国と日本はそれぞれ世界37位、38位で並んでおり、日本はMENAトップのイスラエルと同スコアである。中国は世界順位83位、EAPI 0.45でリビアと同じランクである。
(環境面の評価が低いGCC産油国)
3.分野別に見る各国の指数
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/areha_kazuya/5-T01.pdf参照)
経済性、環境負荷及び調達・供給体制の3分野についてMENA各国の指数を見ると、まず経済性ではイスラエルのEAPIが0.61と最も高い。これに次ぐのがトルコ(0.53)、イラク(0.37)、モロッコ、チュニジア(共に0.36)などである。MENAの平均指数は0.34であり、世界トップのノルウェーの指数0.69或いは米国の0.57、日本の0.58と比べかなり低い。
環境負荷の分野で見ると、トルコ、チュニジア(共に指数0.45)がMENAで最も高く、日本(0.43)とほぼ同程度である。一方GCC産油国はUAE(指数0.21)、サウジアラビア(0.19)、カタール(0.17)、クウェイト(0.12)と極めて低く、これらの国はエネルギーを浪費し環境に対する配慮が不足していることをうかがわせる。
ところがエネルギーの調達・供給分野はGCC産油国のEAPIが高い傾向にあり、サウジアラビア(0.81)、カタール及びクウェイト(共に0.80)、UAE(0.77)である。サウジアラビアは米国(0.84)とほぼ同等、またUAEは日本(0.74)を上回っている。
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