12/1 Total Total Announces the Jisik Discovery in the Kurdistan Region of Iraq - See more at: http://www.total.com/en/media/news/press-releases/total-announces-jisik-discovery-kurdistan-region-iraq#sthash.jkAUKFYA.dpuf
12/4 石油資源開発 "カナダ ブリティッシュ・コロンビア州におけるLNGプロジェクトの最終投資決定(FID)延期について" http://www.japex.co.jp/newsrelease/pdf/20141204_CanadaLNG.pdf
12/5 ExxonMobil ExxonMobil to Launch 2015 Outlook for Energy http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-launch-2015-outlook-energy
(注)本レポートはブログ「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してお読みいただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0332OpecMeetingDec2014.pdf
2.総会3日前:ウィーンに乗り込むロシア、ナイミ・サウジ石油相も早々と
ベネズエラのラミレス外相がロシアに出向いた直後の11月21日、今度はサウジアラビアのサウド外相がモスクワでラブロフ外相と会談した。本題はもちろん過激派武装勢力「イスラム国」をめぐり緊迫するシリア、イラク情勢、或いは核開発問題をめぐるイラン制裁問題、さらにはリビア、イエメン等複雑極まる中東情勢であった。しかし同時に世界第一、第二の産油国として原油価格の下落防止策についても意見が交わされ、両外相のコミュニケには石油エネルギー問題で協力することが明記された 。
ロシアはウクライナ問題で欧米の経済制裁を受け石油・天然ガスの輸出が減少、原油価格の下落も重なりエネルギーが輸出の70%、歳入の50%を占める同国にとって価格の回復が喫緊の課題である。そのため生産量削減について応分の協力を惜しまない姿勢もちらつかせた。
プーチン大統領はナイミ石油相と協議させるため直ちに腹心のセーチン・ロスネフト社長をウィーンに派遣した。ナイミはこれまでOPEC総会の前夜か当日に現地入りするのが通例であり早々と総会3日前にウィーン入りするのは異例のことである(因みに前回の6月総会では総会開会後に遅刻して出席しているが、これなどはOPECの存在感の薄さに嫌気がさしたための抗議の意思表示であったと言われている) 。
総会前のナイミ石油相はメディアの取材に対して「市場が供給過剰になったのは何も今回が初めてではない」と答えている。彼としては生産枠の現状維持で総会を乗り切る腹は固まっていたため、あえて生産量の削減について明言しなかったと考えられる。それでも総会前にロシアと協議することにしたのはモスクワでのサウド・ラブロフ両外相会談でエネルギーの二国間協力が打ち出されたからである。何といってもテクノクラートのナイミ石油相はサウド家の王族であるサウド外相の顔を立てざるを得なかったのである。
24日、ウィーンでサウジアラビア、ベネズエラ、ロシアそしてメキシコの4者会談が行われた。会議の内容は明らかにされていないが、ベネズエラがサウジアラビアに対して総会での減産決議を促し、ロシア(及びメキシコ)がこれに同調したものと見られる。ロシアのKommersant紙はこの会談でロシア側から、もしOPECが140万B/D削減すればロシアも30万B/D削減する、と持ちかけたと報じている 。但しサウジアラビアにとって自国と同程度の1千万B/Dを生産するロシアの減産提案としては少なすぎる。加えてナイミ石油相はロシアの口約束は信用できないと考えたようである。かつて2000年代初めに同じような価格下落の状況下でOPECは減産したが、その時ロシアは減産に同調するどころか抜け駆けで増産しOPECは煮え湯を飲まされた苦い経験があったからである 。
4者会談の結論が出ないまま27日にOPECは第166回総会を開催した。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp