(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0342ImfWeoApr2015.pdf
(米国のGDP総額は全世界の4分の1!)
3.2014年の各国の名目GDP(予測)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-B-2-09.pdf 参照)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-B-2-02.pdf参照)
IMFでは今年の世界の名目GDP(at Current Price)総額を75兆ドルと推定している。地域別ではEUが16兆ドル、全体の22%を占めている。またASEAN5か国は2.1兆ドル(全体の2.8%)、MENA地域は2.9兆ドル(同3.9%)である。
国別では米国が世界トップの18兆ドルで全世界に占める割合は24%、同国一国だけで世界のGDPの4分の1を生み出している。米国に次ぐGDP大国は中国の11兆ドルであり世界全体の15%を占めている。この2か国が世界でも突出している。第3位は日本(4.2兆ドル)であるが、米国の4分の1あるいは中国の3分の1にとどまっている。EUの経済大国ドイツのGDPは3.4兆ドルであり、EU全体の5分の1を占めている。その他の主な国を見るとインドは2.3兆ドル、韓国1.4兆ドル、ロシア1.2兆ドルなどである。
MENA17カ国(エジプト、シリアを除く)の中で2015年の名目GDPが最も大きい国はトルコの7,530億ドルであり、サウジアラビアが6,490億ドルで続いている。この2カ国がMENAの合計GDPに占める比率はそれぞれ21%と18%であり、両国はMENA諸国の中では突出している。第3位はイランの3,930億ドル、第4位UAE(3,640億ドル)はいずれもトルコ或いはサウジアラビアの半分にとどまっている。
5位以下11位まではイスラエル(3,070億ドル)、カタール(1,970億ドル)、アルジェリア(1,870億ドル)、イラク(1,740億ドル)、クウェイト(1,340億ドル)、モロッコ(1,020億ドル)であり、以上11カ国が年間GDP1千億ドルを超える国々である。UAE、カタール、クウェイトなど人口の少ない産油国がイラン、イラクなど地域の大国とそん色のないGDPを誇っている。
GDPが1千億ドル未満の国は、オマーン(630億ドル)、レバノン(550億ドル)、チュニジア(450億ドル)、イエメン(430億ドル)、ヨルダン(380億ドル)、リビア(340億ドル)、バハレーン(310億ドル)である。MENAでGDPが最も小さいヨルダン、リビア、バハレーンはサウジアラビア或いはトルコの20分の1以下である。
(続く)
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