石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

油価下落が直撃、売上・利益が大幅減:五大国際石油企業2015年度業績速報シリーズ(7)

2016-03-01 | 海外・国内石油企業の業績

II. 2015年の業績比較 (続き)
2. 利益
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-02.pdf 参照)
 ExxonMobilが5社の中で利益額が最大の162億ドルであり、4社を大きく引き離している。ExxonMobilに次ぐ利益を上げたのは売上高(前項参照)では5社中4番目のTotalであり、同社の利益額は51億ドル、ExxonMobilの3割にとどまっている。ChevronはTotalよりやや少ない46億ドルである。Shellは売上高では5社の中で最も大きいが、利益は4番目の19億ドルにとどまっており、これはExxonMobilの9分の1に過ぎない。

 BPは5社の中で唯一赤字であり、損失額は65億ドルに達している。BPは売上高でこそShellあるいはExxonMobilの8割程度を維持しているが利益では大きく見劣りしている。BPはメキシコ湾の原油流出事故およびロシアでの合弁事業を巡るトラブル等で近年利益が低迷し、しかも毎年の利益は浮き沈みが激しくここ2年間は連続して大きく落ち込んでいる。同社の先行きは不安感がぬぐえない。

3.売上高利益率
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-03.pdf 参照)
 売上高と利益の比率である売上高利益率を見ると、ExxonMobilが6.0%と他を圧倒しおり、次いでChevron及びTotalがそれぞれ3.3%と3.1%で並んでいる。Shellは売上高トップであるが利益率では0.7%と見劣りする。BPの利益率はマイナス2.9%である。
 (続く)

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