スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の4-6月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益、売上高利益率、設備投資および石油・天然ガス合計生産量の五項目について各社の業績を横並びで比較するとともに各社の四半期決算の推移を検証する。
決算の詳細は以下の各社のホームページを参照されたい。
ExxonMobil:
http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-17-billion-second-quarter-2016
Shell:
BP:
http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/second-quarter-2016-results.html
Total:
http://www.total.com/en/media/news/press-releases/second-quarter-and-first-half-2016-results
Chevron:
https://www.chevron.com/stories/chevron-reports-2q-2016-loss
なお前期(2016年1-3月期)及び2008年から2015年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0377OilMajor2016-1stQtr.pdf
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0372OilMajors2015.pdf
1. 五社の4-6月期業績比較
(表:http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-22.pdf 参照)
五社を横並びで比較すると売上高ではShellがトップであり、利益はTotalが最も多い。また設備投資はShellが最も多く、石油および天然ガスを合わせた生産量ではExxonMobilがトップである。売上高利益率はTotalが最も高く、BPとChevronは利益面で欠損を出している。
(売り上げは軒並み2割減!)
(1) 売上高(図:http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-51.pdf参照)
2016年4-6月の売上高は5社ともに前年同期に比べ2割前後の大幅な減少であった。これは言うまでもなく原油価格が下落したためである。因みにShellの決算資料で見ると、昨年第1四半期はバレル当たり平均56ドルであったものが、今期は40ドルと3割近く下がっている。2011年あるいは2012年の年間平均価格は100ドルを超えており価格はピーク時の2分の1以下である。原油価格の下落がそのまま各社の売上高減少に反映されたと言えよう。
各社の売上高および対前年同期の減少幅は、ExxonMobilが577億ドル(22%減)、Shell603億ドル(19%減)、BP 464億ドル(23%減)、Total 372億ドル(17%減)、Chevron 293億ドル(27%減)で、5社の中ではChevronが最も大きく落ち込んでいる。
(続く)
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