1.五社の4-6月期業績比較 (続き)
(4) 設備投資
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-22.pdf参照)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-54.pdf 参照)
2016年4-6月期の各社の設備投資額はShellが58億ドルと最も多く、Chevronが55億ドでこれに続いている。第3位のExxonMobilの投資額は52億ドルである。またBPは43億ドル、Totalは最も少ない38億ドルにとどまっている。前年同期と比べると各社とも減少しており、特にExxonMobilおよびChevronは3分の2程度にとどまっている。Totalは18%減、BP及びShellは5~6%減である。低迷する石油市況を受けて各社とも設備投資には消極的な姿勢が見える。
(5)原油・ガス生産量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-22.pdf参照)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-55.pdf 参照)
今年4-6月の原油生産量はExxonMobilが平均日産量233万バレル(以下B/D)で5社の中では最も多い。その他の4社はShell 175万B/D、Chevron 169万B/D、Total 125万B/D、BP 110万B/DでBPは5社の中では最も少なくExxonMobilの2分の1以下である。ExxonMobilは世界各地で万遍なく原油生産をおこなっており他社を圧倒している。前年同期と比較するとShellは22%増と際立って増加しており、他の4社は大きな変化はなく、BP及びChevronはわずかながら減少している。
天然ガスの生産量はShellが102億立方フィート(以下cfd)と最も多く、わずかの差でExxonMobil(98億cfd)が続いている。残る3社はTotal65億cfd、BP57億cfd、Chevron50億cfdと上位2社の5乃至6割前後である。前年同期に比べるとShellは36%増と大幅に伸びた一方、ExxonMobilは4%の減少となった。その他3社はTotalが9%増、BP及びChevronは微減となっている。
天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量ではExxonMobilは395万B/Dでこれに次ぐのがShellの351万B/Dである。その他の3社はChevronが253万B/D、Total 242万B/D、BP209万B/Dである。石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油59%、天然ガス41%であり石油の比率が高い。BP、TotalおよびChevron3社も同様に原油生産量が天然ガス生産量を上回っており、特にChevronは石油67%対天然ガス33%と石油が天然ガスの2倍以上である。これに対してShellは原油・ガス生産量が共に50%と均衡している。Shellは英国のBGを買収しており、重点を天然ガスにシフトしつつある。
(続く)
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