2.2015年第1四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(2)利益の推移(続き)
(2-2)上流部門(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-63.pdf 参照)
5社の上流部門の利益はいずれも下流部門の利益に比べて見劣りし、BP及びChevronが3期連続で赤字を出しており、Shellは6期中5期が赤字であった。ExxonMobilも前期(2016年第1四半期)は赤字であり、6期間で赤字を計上しなかったのはTotalだけであった。過去6期間で最も大きな黒字を出したのがExxonMobilの2015年第1四半期29億ドルであったのに対して赤字ではShellが2015年第2四半期に82億ドルの赤字を出すなど非常に厳しい状況である。
(2-3)下流部門(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-64.pdf 参照)
これに対して下流部門は全社が全6期間を通じて安定した利益を出している。特にExxonMobilは昨年第2四半期に上流部門の3倍以上の64億ドルの利益を上げている。Shellの場合昨年は25億ドル前後の安定した利益を計上しており、今期も2期連続で17億ドルの利益であった。Totalもコンスタントに10億ドル台前半の利益水準を維持している。各社とも原料となる原油の価格が年間を通じて低く推移したことにより下流部門の利益を確保している。
(3)設備投資の推移 (図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-65.pdf 参照)
5社の四半期の設備投資額は100億ドルを下回る低い水準が続いており、また期を追うごとに投資額が減少する傾向にある。ExxonMobilの場合は昨年1-3月期の77億ドルに対して今年第一、第二四半期とも50億ドル強にとどまっている。Totalも同様に昨年1-3月期の58億ドルから今年の第一、第二四半期はいずれも40億ドル弱である。Chevronは5社の中では最も高い水準の設備投資を続けており、昨年は80億ドル台の設備投資であったが、今年に入って急減し今期の投資額は55億ドルにとどまっている。ShellおよびBPの設備投資は各期の変動が比較的少なく、Shellは60億ドル前後、BPは40億ドル台の設備投資を続けている。
以上
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