(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してごらんいただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0401OilMajor2016.pdf
国際石油企業(International Oil Companies, IOCs)の2016年第4四半期(10-12月)及び年間(1-12月)の決算が発表された。本稿ではExxonMobil、Shell, BP(英), Total(仏)及びChevron(米)の主要5社を取り上げ、各社の売上高、利益、石油・ガス生産量、投資額等を概観し、さらに5社の業績比較を行う。
I. 各社の業績概要
(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20.pdf 参照)
2.Shellの2016年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)の業績
*同社ホームページ:
(1)売上高
Shellの2016年10-12月の売上高は648億ドルであり、また通年売上高は2,336億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ11%の増収, -12%の減収であった。
(2)利益
10-12月期及び通年の利益はそれぞれ15億ドル及び46億ドルであり、前年同期と比較すると10-12月期は64%の増益であり、通年では前年比2.4倍の大幅増益となっている。通年利益のうち上流部門は37億ドルの大幅な損失であるのに対して下流部門は66億ドルの利益であった。但し前年利益の102億ドルに比べるとほぼ3分の2に縮小している。(注、最終損益額には石油化学部門その他の損益が合算されているため、部門別の上流・下流部門の損益合計額とは一致しない。)
(3)売上高利益率
通年ベースの売上高利益率は2.0%であり前年の0.7%から改善している。
(4)設備・探鉱投資
2016年の年間の設備・探鉱投資額は221億ドルであり、これは2015年比で15%の減少であった。
(5)石油・ガス生産量
昨年のShellの石油生産量は日量平均1,838千B/Dであり、前年(2015年)に比べ22%増加している。天然ガスは日量平均10,613mmcfdであり、こちらも前年比27%増である。
石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で3,668千B/Dとなり、2015年比では24%増である。
(続く)
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