(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0410OilMajor2017-1stQtr.pdf
2017.5.8
前田 高行
スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の1-3月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益(総合及び上流部門、下流部門)、売上高利益率、設備投資および石油・天然ガス合計生産量について各社の業績を横並びで比較するとともに各社の四半期決算の推移を検証する。
決算の詳細は以下の各社のホームページを参照されたい。
ExxonMobil:
http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-4-billion-during-first-quarter-2017
Shell:
http://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2017/first-quarter-2017-results-announcement.html
BP:
http://www.bp.com/en/global/corporate/media/press-releases/first-quarter-2017-results.html
Total:
http://www.total.com/en/media/news/press-releases/2017-first-quarter-results
Chevron:
https://www.chevron.com/stories/chevron-reports-first-quarter-net-income-of-2-7-billion
なお前期(2016年10-12月期)、2016年通期及び2009年から2016年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/0401OilMajor2016.pdf
1. 五社の1-3月期業績比較
(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-22.pdf 参照)
五社を横並びで比較すると売上高、下流部門利益及び設備投資額ではShellがトップである。しかし総合利益、上流部門利益および原油と天然ガスを合計した生産量の各部門ではExxonMobilがトップであり、上流部門ではShellが5社の中で唯一欠損を出している。売上高利益率はChevronがトップである。原油生産量ではExxonMobilがずば抜けて大きく、天然ガス生産量ではShellとExxonMobilがほぼ同量で他の3社を大きく引き離している。
(売り上げは各社とも前年同期比で30~50%アップ!)
(1) 売上高(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-51.pdf 参照)
2017年1-3月の売上高は5社ともに前年同期に比べ3割乃至5割と大幅に増加した。各社の原油・天然ガス生産量は数%の増減にとどまっており(本稿下記参照)、従って売り上げの上昇は原油価格が昨年年初を底に回復したためである。因みにShellの決算資料で見ると、昨年第1四半期はバレル当たり平均29.5ドルであったものが、今期は48.4ドルと大幅に上昇している。2011年あるいは2012年のピーク時には年間平均価格が100ドルを超えたが、昨年第一四半期はその時の4分の1であり、今期は2分の1である。原油価格の上昇がそのまま各社の売上高の増加に反映されたと言えよう。
各社の売上高および対前年同期の増加幅は、ExxonMobilが633億ドル(30%増)、Shell718億ドル(44%増)、BP 559億ドル(45%増)、Total 412億ドル(25%増)、Chevron 334億ドル(42%増)であった。
(続く)
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