石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計2018年版解説シリーズ:石油篇(8)

2018-06-27 | BP統計

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0446BpOil2018.pdf

 

2018.6.27

前田 高行

 3.世界の石油消費量

(世界の石油消費の35%はアジア・大洋州!)

(1)   地域別消費量

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/1-3-G01.pdf 参照)

 2017年の世界の石油消費量は日量9,819万バレル(以下B/D)であった。地域別でみるとアジア・大洋州が3,457万B/Dと最も多く全体の35%を占め、次に多いのが北米の2,422万B/D(25%)であった。2007年以降はアジア・大洋州が北米を上回る最大の消費地域となっている。これら二つの地域に続くのが欧州の1,498万B/D(15%)であり、これら3地域で世界の石油の4分の3を消費している。残りの中東(10%)、中南米(7%)、ロシア・中央アジア及びアフリカ(各4%)の3地域を合計しても25%に過ぎず、石油の消費は先進地域の北米、欧州及び新興工業国が多いアジア・大洋州に偏っている。

 

 各地域の消費量と生産量(前回参照)を比較すると、生産量では世界全体の34%を占めている中東が消費量ではわずか10%であり、またロシア・中央アジア地域も生産量シェア15%に対し消費量シェアは4%にとどまっている。同様にアフリカも生産量シェア9%に対して消費量シェアは4%に過ぎない。これに対してアジア・大洋州は生産量シェア8%に対して消費量シェアは35%と大幅な消費超過となっている。また欧州も生産量シェア(4%)より消費量シェア(15%)が大幅に上回っている。北米は22%(生産量)対25%(消費量)であり、長期的に見ると生産量と消費量の差は年々縮小している。このことからマクロ的に見て、世界の石油は中東、ロシア・中央アジア及びアフリカ地域からアジア・大洋州及び欧州に流れており、北米及び中南米は地産地消型であると言えよう。

 

(続く)

 

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