(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・OPEC月報:今年の需要を下方修正、来年の回復にも懐疑的。
(中東関連ニュース)
・イラン議会、政府の商工相指名案を否決。議会と政府の対立深まる。
・サウジ国王、紅海NEOMで手術後の静養。
(石油関連ニュース)
・OPEC月報:今年の需要を下方修正、来年の回復にも懐疑的。
(中東関連ニュース)
・イラン議会、政府の商工相指名案を否決。議会と政府の対立深まる。
・サウジ国王、紅海NEOMで手術後の静養。
BPが毎年恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2020」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、消費量、貿易量及び価格のデータを抜粋して解説したものである。
*BPホームページ:
http://www.bp.com/en/global/corporate/energy-economics/statistical-review-of-world-energy.html
(2000年~2019年の間に3.5倍に伸びたLNG貿易!)
(2)天然ガスの貿易量(2000年~2019年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G01.pdf 参照)
2019年の世界の天然ガス貿易の総量は9,844億立法メートル(以下㎥)であり、内訳はパイプラインによるものが4,994億㎥、LNGとして取引されたものは4,851億㎥であった。パイプラインが全体の51%、LNG貿易は49%で両者はほとんど拮抗している。天然ガス貿易に関与している国は多数にのぼるが、これらの国の中には日本のようにパイプラインによる輸入がなく全てLNG輸入に依存している国がある一方、カザフスタンのようにパイプラインによるガス輸出のみを行っている国、更には米国とカナダのようにパイプラインで相互に輸出と輸入を行っている国、あるいはカタールのようにLNG輸出から始まり今や近隣国にパイプラインによるガス輸出も行っているなど様々な形態があり、天然ガス貿易は多様化している。
2000年以降の天然ガスの貿易量を見ると、2000年に5,278億㎥であった貿易量は2004年に6千億㎥、2007年に7千億㎥を突破した。しかし同年以降は伸びが鈍化し、8千億㎥に達したのは2016年であった。2017年以降は再び増加が顕著である。2019年の貿易量は2000年の1.9倍の9,844億㎥となり、1兆㎥達成は目前である。
2000年と2019年を比較するとパイプラインによる貿易量の伸びは1.3倍であったのに対してLNGの伸び率は3.5倍である。LNGは最近の伸びが特に著しく2010年には対前年比21%という高い増加率を示している。天然ガス貿易はパイプライン或いはLNG設備が完成すれば貿易量が飛躍的に伸びるという特性があるが、LNG貿易は近年ロシア、豪州の設備新設或は米国のシェールガス液化等により供給力が増加したことが貿易量の増大につながっている。このような貿易構造の変化の結果、貿易全体に占めるパイプラインとLNGの比率は2000年にはパイプライン73%、LNG27%であったが、その後LNGの比率が徐々に増加、2006年には30%を超え、2019年はパイプライン51%に対しLNG49%とほぼ均衡しつつある。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
*BPホームページ:
http://www.bp.com/en/global/corporate/energy-economics/statistical-review-of-world-energy.html
(2000年~2019年の間に3.5倍に伸びたLNG貿易!)
(2)天然ガスの貿易量(2000年~2019年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G01.pdf 参照)
2019年の世界の天然ガス貿易の総量は9,844億立法メートル(以下㎥)であり、内訳はパイプラインによるものが4,994億㎥、LNGとして取引されたものは4,851億㎥であった。パイプラインが全体の51%、LNG貿易は49%で両者はほとんど拮抗している。天然ガス貿易に関与している国は多数にのぼるが、これらの国の中には日本のようにパイプラインによる輸入がなく全てLNG輸入に依存している国がある一方、カザフスタンのようにパイプラインによるガス輸出のみを行っている国、更には米国とカナダのようにパイプラインで相互に輸出と輸入を行っている国、あるいはカタールのようにLNG輸出から始まり今や近隣国にパイプラインによるガス輸出も行っているなど様々な形態があり、天然ガス貿易は多様化している。
2000年以降の天然ガスの貿易量を見ると、2000年に5,278億㎥であった貿易量は2004年に6千億㎥、2007年に7千億㎥を突破した。しかし同年以降は伸びが鈍化し、8千億㎥に達したのは2016年であった。2017年以降は再び増加が顕著である。2019年の貿易量は2000年の1.9倍の9,844億㎥となり、1兆㎥達成は目前である。
2000年と2019年を比較するとパイプラインによる貿易量の伸びは1.3倍であったのに対してLNGの伸び率は3.5倍である。LNGは最近の伸びが特に著しく2010年には対前年比21%という高い増加率を示している。天然ガス貿易はパイプライン或いはLNG設備が完成すれば貿易量が飛躍的に伸びるという特性があるが、LNG貿易は近年ロシア、豪州の設備新設或は米国のシェールガス液化等により供給力が増加したことが貿易量の増大につながっている。このような貿易構造の変化の結果、貿易全体に占めるパイプラインとLNGの比率は2000年にはパイプライン73%、LNG27%であったが、その後LNGの比率が徐々に増加、2006年には30%を超え、2019年はパイプライン51%に対しLNG49%とほぼ均衡しつつある。
(続く)
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E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp