石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

コロナ禍で大幅な減収・減益:五大国際石油企業2020年4-6月期決算速報 (5)

2020-08-14 | 海外・国内石油企業の業績
1. 五社の4-6月期業績比較 (続き)
(7)原油・ガス生産量
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-22.pdf 参照)
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-55.pdf参照)
 今年4-6月の原油生産量はExxonMobilが平均日量231万バレル(以下B/D)で5社の中では唯一200万B/Dをこえている。その他の4社はいずれも200万B/D未満でChevron、Shell(共に182万B/D)、Total155万B/Dである。BPの原油生産量は5社の中で最も少ない137万B/DでExxonMobilの6割弱にとどまっている。前年同期と比較するとBPは5%増加しているが、その他の4社は前年同期を下回っている。ExxonMobilの場合前年同期は239万B/Dであり、4%の減少である。

 天然ガスの生産量はShellが最も多い日産90億立方フィート(以下cfd)であった。第2位のExxonMobilは80億cfd、残るTotal、Chevronは70億cfd前後であり、最も少ないのはBPの67億cfdである。5社すべてが昨年同期の生産量を下回っており、ExxonMobil、BP、Shell3社は二桁台の大幅な下落である。因みにShellは昨年同期には5社で唯一100億cfdを超えていた。

 天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量ではExxonMobilは364万B/Dでこれに次ぐのがShellの338万B/Dである。その他の各社はいずれも300万B/Dを下回っており、Chevron 299万B/D、Total 285万B/D、BP 253万B/Dである。前年同期比では5社すべてが下回っており、ExxonMobilは391万B/D→364万B/Dへ6.9%減少している。

石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油63%、天然ガス37%であり5社の中では石油の比率が最も高い。他の4社も石油の比率が天然ガスを上回っており、Chevronは石油61%、天然ガス39%である。

(続く)

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前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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