(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
mylibrary.maeda1.jp/0611WorldRank9.pdf
(世界ランクシリーズ その9 2024年版)
4.FDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高) (続き)
(驚異的に増えたインドの残高!)
(2) 1990~2023年末のFDI Outward Stock (FDIアウトバウンド残高)の推移
(図http://rank.maeda1.jp/9-G05.pdf参照)
ここでは1990年末から2023年末までの全世界並びに主要経済大国(米国、中国、日本、インド)及び中東2か国(サウジアラビア、イラン)のFDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高)の推移を概観する。
世界全体の1990年末のFDIアウトバウンド残高は2.2兆ドルであった、その後2000年末には3.3倍の7.4兆ドル、2010年末には20.4兆ドルに増加、2023年末の残高は44兆ドルを超えている。全世界のFDIアウトバウンド残高は1990年から2023年までの34年間に20倍に膨張している。
国ごとに見ると世界最大の規模を誇る米国は1990年末の残高7,300億ドルが2000年末には4倍の2.7兆ドルに急増、その後も残高は順調に増え2023年末の残高は9.4兆ドルに達している。1990年からの34年間の伸び率は13倍であった。
日本のFDIアウトバウンド残高は、2,000億ドル(1990年末)→2,800億ドル(2000年末)→8,300億ドル(2010年末)→2.1兆ドル(2023年末)であり、34年間の伸び率は世界平均(20倍)を下回る11倍であった。これに対して中国の残高の推移は、45億ドル(1990年末)→280億ドル(2000年末)→3,200億ドル(2010年末)→2.9兆ドル(2023年末)であり、44年間で660倍と大幅に増えている。中国を上回る規模で残高を増やしているのがインドである。1990年にわずか1億ドルに過ぎなかった同国のFDI Outward Stockは2010年には970億ドルに膨張、さらに2023年末には2,400億ドルに達している。2023年末の残高は1990年末のそれの1,900倍という驚異的な伸びである。
サウジアラビア及びイランの中東2か国を比較すると、1990年末の残高はサウジアラビア23億ドルでイランは5,600万ドルに過ぎなかった。その後サウジアラビアの伸びが目覚ましく、23億ドル(1990年末)→53億ドル(2000年末)→265億ドル(2010年末)→2,040億ドル(2023年末)と2000年代の伸びが目覚ましい。イランの1990年末の残高はわずか5,600万ドルにとどまり、その後も大きく伸びず2023年末のアウトバウンド残高は43億ドルにとどまっている。
以上
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp