石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

世界の成長率今年3.1%、来年3.2%:IMF世界経済見通し (下)

2024-02-06 | その他

2. 2023年~2025年のGDP成長率(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-11.pdf 参照)

 主要な経済圏と国家の昨年(実績見込み)、今年(予測)及び来年(予測)のGDP成長率の推移を見ると以下の通りである。

 

(3年間低いままのEU圏!)

2-1主要経済圏

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-01.pdf 参照)

 全世界の3年間の成長率は3.1%(2023年)→3.1%(2024年)→3.2%(2025年)と殆ど変化が無い。コロナ禍のような大きなマイナス要因がなく、一方でかつての中国のように世界経済を大きくけん引する国も見当たらないことが成長率を停滞させるとIMFは見ているようである。

 

 主要な経済圏を見ると、EU圏は0.5%(2023年)→0.9%(2024年)→1.7%(2025年)と極めて低い成長率で推移すると見込まれている。長引くウクライナ紛争が影を落としており、EUの中核であるドイツ経済が高止まりするエネルギー価格の響を受け停滞していることが原因と考えられる。

 

 ASEAN5カ国の成長率は4.2%→4.7%→4.4%であり、世界平均を上回る成長率を維持する見通しである。中東・中央アジアは産油・ガス国が多いが、世界経済の回復の遅れ及び長引くウクライナ紛争の影響を受け昨年(2.0%)及び今年(2.9%)は低成長を余儀なくされる見通しである。但し来年(2025年)は世界平均を上回る4.2%の成長率となる見込みである。

 

(6%以上の高い成長率を維持するインド!)

2-2主要国

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-02.pdf 参照)

米国の昨年の成長率は2.5%であったが、今年(2.1%)、来年(1.7%)と連続して成長が鈍化する見通しである。日本も同様に1.9%→0.9%→0.8%と連続して成長率は低下し、今年及び来年は1%を下回るとみられている。

 

中国は5.2%→4.6%→4.1%であり、米国或いは日本と同様の傾向であるが、それでも世界平均を上回る5%前後の高い成長率を達成すると予測されている。ロシアの見通しは3.0%→2.6%→1.1%であり、長引くウクライナ紛争により成長率が急速に落ち込むものと見込まれている。ロシアと並ぶ産油国であるサウジアラビアの3年間の成長率は▲1.1%(2023年)→2.7%(2024年)→5.5%(2025年)である。昨年は自主的な大幅減産及び油価の低迷による歳入不足に輸入物価の上昇が重なりマイナス成長になったが、来年は安定的な財政収支により成長率が高まると見込まれている。

 

各国が低迷する中でインドの成長率は6.7%→6.5%→6.5%と6%台後半を維持し、世界平均を大きく上回る見込みである。中国に代わり同国が世界経済の牽引車と目されている。

 

以上

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 


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