石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

原油高値と円安で拡大する国際石油企業と日系企業の格差:2022年(度)業績比較 (8)

2023-06-07 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0578MajorEneosIdemitsuMar2023.pdf

 

3.投資キャッシュフロー 

(▲100億ドル台のメジャーズ5社、一桁台の日系2社!)

(1)2022年(度)投資キャッシュフロー

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-05.pdf 参照)

 2022年(度)の投資キャッシュフローを比較するとENEOSは▲1,159億円(▲9億ドル、換算レート:135円/ドル)であり、出光はプラス701億円(5億ドル、換算レート:135.5円/ドル)であった。一方メジャー5社はShellが▲224億ドルと最も大きく、次いでTotalEnergies(▲151億ドル)、ExxonMobil(▲147億ドル)、bp(▲137億ドル)、Chevron(▲121億ドル)であり、5社ともに投資キャッシュフローは100億ドルを超えている。メジャー5社と日系2社の格差は大きい。

 

(2021年を境に増加に転じたIOC5社、減少傾向の日系2社!)

(2)2019年(度)~22年(度)投資キャッシュフローの推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-15.pdf 参照)

 2019年のメジャー5社の投資キャッシュフローはExxonMobilの▲231億ドルを筆頭に、TotalEnergies及び bpが▲170億ドル強で並び、Shellが▲158億ドル、Chevronが最も少ない▲115億ドルであった。これに対してENEOSは▲34億ドル、出光は▲12億ドルであった。

 

 その後2020年から2021年にかけてメジャー各社の投資キャッシュフローは2年連続で減少し、2022年は反転して増加している。これに対して日系2社は2021年度まで横ばい傾向を示した後、2022年度は大きく減少しており、両者は対照的な様相を示している。4年間を通じてみるとExxonMobil及びTotalEnergiesは一貫して▲100億ドル以上の安定した投資キャッシュフローであることがわかる。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                              E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  見果てぬ平和 ― 中東の... | トップ | 石油と中東のニュース(6月7日) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

海外・国内石油企業の業績」カテゴリの最新記事