石油と中東

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国際石油企業5社、アラムコ及びENEOS/出光興産の2022年4-6月期業績を比較する(4完)

2022-09-08 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0566IocAramcoEneosIdemitsu2022-2ndQtr.pdf

 

(30%近い利益率を誇るアラムコ、IOCは軒並み二桁、ENEOS/出光は一桁!)

3.売上高利益率 

(1)当期売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-23.pdf 参照)

  売上高利益率は全社がプラスであるが、アラムコ、IOC各社と日系2社の間には大きな格差がある。アラムコの利益率は28%であり、これに次ぐのはShell 18.0%、Chevron 17.8%、ExxonMobil15.4%、BP13.3%であり、TotalEnergiesはIOC5社の中で唯一一桁台の7.6%であった。これに対し日系企業はENEOS 6.2%、出光8.1%であり、外国企業に比べ見劣りがする。

 

(2021年以降毎期30%弱の利益率を続けるアラムコ、日系2社は低位安定!)

(2)2020年7-9月期以降今期までの推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-33.pdf 参照)

  IOC5社の2020年7-9月期から今期(2022年4-6月期)までの売上高利益率の推移を見ると、2020年はExxonMobilが10-12月期に▲43%の大幅な損失率を示すなど各社の業績は不安定であった。2021年には各社とも利益率が大幅に改善、Chevronは同年下期以降二桁台の安定した利益率を示している。その中でbpのみは相変わらず不安定な状態が続き、今年1-3月期は▲40%の損失率となっている。

 

アラムコは毎期大きな利益率を確保しており、四半期ごとの推移は以下の通りであった。

 

19.3%(‘20年7-9月期)→19.5%(‘20年10-12月期)→29.9%(‘21年1-3月期)→27.3%(‘21年4-6月期)→28.1%(‘21年7-9月期)→25.6%(‘21年10-12月期)→28.6%(‘22年1-3月期)→28.0%(‘22年4-6月期)

 

これに対し日系2社の利益率は下記のごとく低い利益率にとどまったままである。

 

ENEOS:

1.2%(‘20年7-9月期)→1.5%(‘20年10-12月期)→2.1%(‘21年1-3月期)→4.4%(‘21年4-6月期)→4.5%(‘21年7-9月期)→4.2%(‘21年10-12月期)→6.2%(‘22年1-3月期)→6.2%(‘22年4-6月期)

 

出光:

4.8%(‘20年7-9月期)→2.1%(‘20年10-12月期)→3.2%(‘21年1-3月期)→6.8%(‘21年4-6月期)→3.3%(‘21年7-9月期)→3.4%(‘21年10-12月期)→3.9%(‘22年1-3月期)→8.1%(‘22年4-6月期)

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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