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http://mylibrary.maeda1.jp/0468OilMajor2019-1stQtr.pdf
1. 五社の1-3月期業績比較(続き)
(2)総合利益 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-52.pdf 参照)
5社ともに利益を計上しているが金額には大きな格差があり、また前年同期と比べるとExxonMobil及びChevronは大幅な減益になった一方、BP、Totalは2割近い増益となっている(Shellはほぼ横ばい)。利益額が5社の中で最も大きいのはShellの60億ドルであり前年同期(59億ドル)とほぼ変わらない。Shellに次いで利益が多いのはTotalの31億ドルで前年同期比18%増である。BPもほぼTotalに並ぶ29億ドルの利益を計上している。これに対してChevronは前期比27%減の26億ドルにとどまっており、ExxonMobilは5社の中で利益が最も少ない24億ドルで前年同期に比べ半減している。
(3)上流部門と下流部門の利益
(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56.pdf及びhttp://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-57.pdf参照)
利益を上流部門(石油・天然ガスの開発生産分野)と下流部門(石油精製および製品販売分野)に分けて比較すると、まず上流部門ではChevron(31億ドル)、BP(29.3億ドル)及びExxonMobil(28.8億ドル)の3社が30億ドル前後の利益を計上して並んでいる。またTotal及びShellは17億ドル台である。前年同期と比較すると五社共に減益であり、減益幅はExxonMobilが18%と最も大きい。その他の4社の減益幅は5~8%である。
下流部門も利益が最も多いのはBPの17億ドルであり、Shellがわずかに少ない16億ドルである。この2社に続くのがTotal(7.6億ドル)、Chevron(2.5億ドル)となっている。ExxonMobilは5社の中で唯一2.6億ドルの欠損を出している。前年同期と比較するとTotalのみが増益であるが、その他の4社はいずれも減益である。
歴史的に見ると五大国際石油企業は2014年に原油価格が100ドルを超えるまで上流部門の利益が下流部門を上回る時代が長く続き、その後一転して原油価格が暴落した2015~17年は下流部門の利益が上流部門を上回った。そして原油価格が高値安定している現在は再び上流部門の利益が下流部門より多くなっている。
なお上記(2)総合損益は各社によって石油化学品部門あるいはその他の損益を含むため上・下流部門の利益の合計額とは一致しないケースがある。
(続く)
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